「Google Chrome 131」が正式版に ~オンデバイスOCRで紙をスキャンしたPDFでもテキスト選択
米Googleは11月12日(現地時間)、デスクトップ向け「Google Chrome」の安定(Stable)チャネルをアップデートした。Windows/Mac環境にはv131.0.6778.69/.70が、Linux環境にはv131.0.6778.69が順次展開される。 【画像】「Chrome」内蔵のPDFビューワー。オンデバイスの光学式文字認識(OCR)が利用可能になる デスクトップ版「Chrome 131」では、PDFドキュメントでオンデバイスの光学式文字認識(OCR)が利用可能になる。とくに紙からスキャンしたPDFドキュメントでテキストの検索や選択、コピーが行えるようになるなど、アクセシビリティが大きく向上し、一般的なHTMLページと変わらない使い勝手が得られる。 なお、この処理はデバイス上で完結し、Googleへコンテンツが送信されることはないとのこと。編集部では動作を確認できなかったが、段階的に展開されるものと思われる。 また、省エネモードが有効な場合にタブをフリーズしてCPU使用率を抑制する機能が、安定版「Chrome 131」の約1%に展開される。フリーズされるタブは5分以上非表示かつ無音状態でCPUを多く使用しているものが対象だが、オンラインミーティングや外部デバイスの利用中は対象外となる。 それ以外にも、最近の「Chrome」にはさまざまなパフォーマンス改善策が盛り込まれているので、ぜひチェックしてほしい。 ■ セキュリティ関連の変更 セキュリティ関連の修正は全12件。そのうちCVE番号が公開されている脆弱性は、以下の8件だ。 ・CVE-2024-11110:Inappropriate implementation in Blink(High) ・CVE-2024-11111:Inappropriate implementation in Autofill(Medium) ・CVE-2024-11112:Use after free in Media(Medium) ・CVE-2024-11113:Use after free in Accessibility(Medium) ・CVE-2024-11114:Inappropriate implementation in Views(Medium) ・CVE-2024-11115:Insufficient policy enforcement in Navigation(Medium) ・CVE-2024-11116:Inappropriate implementation in Paint(Medium) ・CVE-2024-11117:Inappropriate implementation in FileSystem(Low) そのほかにも、内部監査やファジングで発見された不具合も修正されている。現時点で悪用が報告されている脆弱性はない。 なお、コンプライアンス違反が続いたことをうけ、「Entrust」が発行するTLS証明書は11月11日以降、既定で信頼されなくなる。 また、「セーフ ブラウジング」に参加するユーザーからテレメトリーを収集し、「セーフ ブラウジング」の改善に役立てる拡張レポート機能はサポート終了となった。今後は「保護強化機能」に置き換えられる。 デスクトップ向け「Google Chrome」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在、同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。すでにインストールされている場合は自動で更新されるが、設定画面(chrome://settings/help)にアクセスすれば手動でアップデートすることもできる。
窓の杜,樽井 秀人