デフレ脱却は進んでいる? 消費者物価指数、企業向けサービス価格で分析
そうしたなかで注目したいのは「企業向けサービス価格指数」です。非常に地味な指標なので滅多に市場参加者の注目を浴びることはありませんが、地味ながらも輝きを取り戻しています。
この指標は、企業間でやりとりされているサービスの価格を集計した指標で、ここでいうサービスとは広告、運輸・郵便、情報通信、不動産、自動車修理サービス、法務・会計サービス、マーケティング、労働者派遣サービス、宿泊、洗濯など多岐にわたります。その動きを確認すると、直近3月まで30カ月連続でプラス圏を維持しています(振れの大きい国際運輸は除いたベース)。これは日本経済がデフレに突入した90年代後半以降で初めてのことです。日本のデフレは(欧州諸国とは異なり)サービス物価の下落が続いているという点で深刻でしたが、最近のサービス物価上昇は、今回のデフレ脱却がホンモノであるという見方に自信を与えるものです。 (第一生命経済研究所・主任エコノミスト 藤代宏一) ※本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。