ドコモがLTE-Advancedを発表、技術的な特徴を分かりやすく解説
ドコモはLTEサービスのために「800Mhz」「1.5Ghz」「1.7Ghz」「2GHz」という4つの周波数を使い、LTEサービスを提供してきましたが、今度提供を開始するLTE-Advancedでは、4つの周波数を800Mhz周波数帯(受信時最大75Mbps)と1.7GHz周波数帯(受信時最大150Mbps)の組み合わせ、1.5GHz周波数帯(受信時最大112.5Mbps)と2GHz周波数帯(受信時最大112.5Mbps)の組み合わせという形で2つの束にして、受信時の最高通信速度225Mbpsでユーザーに提供するとしています。キャリアアグリゲーションの技術は、理論的には3波、4波を束ねて更に高速化することも可能なので、今後の動向に注目したいところです。
混雑時にも快適なデータ通信を提供する「高度化C-RANアーキテクチャ」
一方、「高度化C-RANアーキテクチャ」とは、スマートフォンがデータ通信をするための電波を発信する基地局(アンテナ)を制御する新しい技術で、キャリアアグリゲーションを効果的に運用するためにも重要なものです。 従来の通信方式は、通信エリア内に配置されている基地局は独立して制御を行い、基地局の発信する電波がお互いに干渉しあわないようにエリア整備が行われてきました。一方、LTE-Advancedで導入される高度化C-RANアーキテクチャでは、エリア内に配置された複数の基地局の制御を一元的に管理。加えて、広い範囲に電波を届ける広域基地局(マクロセル)のカバーエリア内に、混雑する場所にピンポイントに電波を届ける狭域基地局(アドオンセル)を細かく配置して、マクロセルとアドオンセルでキャリアアグリゲーションも行います。これにより、基地局同士の電波干渉を抑えながら、エリア内の混雑状況に合わせて基地局が発信する電波を柔軟に制御することが可能になり、通信キャパシティの拡大とユーザーひとりあたりの通信速度の十分な確保、エリア内で電波が途切れたりすることを防止する効果が期待できるのです。