ヒカキン「とても心強い」 UUUMやカバーが“クリエイターへの誹謗中傷”に関する共同声明を発表
UUUM、ANYCOLOR、カバーの3社で構成される誹謗中傷対策検討分科会の共同発表『「悪意のある誹謗中傷には断固たる措置を」 -クリエイターへの悪質な誹謗中傷をさせない取り組みの輪を広げよう-』が、2024年5月22日にUUUM株式会社で開催された。 【写真】誹謗中傷対策検討会設置後の活動報告の様子 日本のクリエイターエコノミーを普及・促進する一般社団法人クリエイターエコノミー協会は、業界の垣根を越えて連携し民間主導の誹謗中傷対策を推進するため、多様なステークホルダーが参画する「誹謗中傷対策検討会」を2023年6月28日に設置。同日に開かれたメディア発表会からおよそ1年が経ち、誹謗中傷対策検討会設置後の活動報告として共同発表会が今回開かれ、梅景匡之氏(クリエイターエコノミー協会 代表理事 / UUUM株式会社 代表取締役)、山口真一氏(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授)、竹川洋志氏(UUUM株式会社 アライアンスユニット統括)、麓貴隆氏(ANYCOLOR株式会社 ライバーマネジメント部 執行役員)、加藤卓氏(カバー株式会社 執行役員 管理本部長)が登壇した。 まず梅景氏は誹謗中傷対策検討会の活動報告として、2023年9月にYouTubeが取り組む啓発キャンペーンへの協力、同年12月に誹謗中傷対策フォーラムを実施したことを挙げる。さらに活動から見えてきたこととして、誹謗中傷をする加害者は「明確な悪意があるタイプ」「明確な悪意がないタイプ」の大きく2パターンがあり、前者に対しては啓発キャンペーンでは不十分だが、後者には啓発効果が見込めるとした。法的措置はクリエイター側と加害者側の双方に大きな負担がかかるものの、2021年から2022年の検挙件数、裁判件数は増加しており、ネット社会の変化も見られる。今後は、悪意ある加害者の「変化を促す」「キッカケを作る」ことが課題の一つであり、クリエイターが安心・集中して活動に取り組める環境を作ることが目指すものであると示した。 誹謗中傷対策の具体的な取り組みの中で、竹川氏は主な類型と類型別の対応について、ファンや一般からの通報のレベルが上がってきたと言及。以前は“意見”のようなものも混じっていたが、最近ではクリティカルに動き出しができるような通報をいただく、確度が高くなってきたとコメント。 誹謗中傷に直面するクリエイターからは、UUUM所属のヒカキン、ホロライブプロダクション所属のときのそらがコメント。「クリエイターエコノミー協会は民間主導の取り組みではありますが、行政や民間のこれだけ多くの企業や団体が賛同もしくは後援してくれている状況は、とても心強いです。ネットにおける誹謗中傷の深刻化に伴い、多くの関係者が対策に向けて動いているなかで、今回のような取り組みの軸がもっと大きくなり、より多くの方々に知っていただけると嬉しいです」というヒカキンのメッセージに対して、マスコミから「誹謗中傷の深刻化」という部分に疑問が挙がると、梅景氏は深刻化しているかは様々な視点があるということを前提として、誹謗中傷が顕在化されてきていることは良い兆しであり、目の前に晒されることで通報に繋がっていくことを説明した。 また、麓氏はVTuberという業態において、その奥には一人の人間がいて誹謗中傷によって傷ついていることもあるということが常識的に広まっていけばいいとコメントしている。
渡辺彰浩