流木・土砂が橋に引っかかり浸水被害拡大、国交省が小規模河川の洪水浸水想定区域図の作成手引きを改訂へ
能登半島の大雨災害で、上流から流れてきた木などが橋に引っかかることで流れが激しくなり、近隣で大きな浸水被害が出たことを受けて、国土交通省は、小規模河川の洪水浸水想定区域図を作成する際の手引きを早期に改訂する方針を決めた。流木や土砂が橋を閉塞(へいそく)する影響を反映させる。中野国交相が13日の閣議後記者会見で明らかにした。
9月21日、石川県輪島市などで「大雨特別警報」が発表され、県内で28河川が氾濫した。同市の塚田川では近隣住民4人が亡くなったが、専門家は、歩行者用の橋が流木や土砂でふさがれたことで被害が拡大した、と指摘している。
こうした事例は各地で相次いでいるが、国交省による小規模河川用の手引きや、これを元に都道府県が作成する浸水想定区域図などは、閉塞の影響が考慮されていない。
中野国交相は「能登半島と同じような浸水被害が発生することも考えられる。国土技術政策総合研究所で検討を進めており、できるだけ早期に手引きを改訂したい」と述べた。