ラリージャパン主催者に最大2400万円の罰金 WRCの審査委員会「安全措置講じなかった」と裁定 無許可車両が検問突破してコース侵入
◇21~24日 世界ラリー選手権最終戦ラリージャパン(愛知県豊田市など) 21~24日に開催された世界ラリー選手権(WRC)最終戦ラリージャパンで無許可の車両が検問を突破して競技ステージに侵入した問題で、WRCの審査委員会は24日、ラリージャパンの主催者に一部執行猶予がつく計15万ユーロ(約2400万円)の罰金を科すと発表した。 ◆ラリージャパン、頭文字D「藤原とうふ店」の激走!【動画】 安全措置を講じず危険を招いたことなどが理由で「検問箇所を規制していたのは(封鎖する)テープとマーシャルのみで、(主催者側の)車両を現場に駐車させて道路を塞ぐなど物理的な障壁はなかった」などとし、無許可の車両が侵入したことを現場のマーシャルが即座にラリーコントロール側に伝えなかったことも指摘された。 裁定などによると、コース侵入は23日午前に岐阜県恵那市内で設けられたSS12で発生。検問を突破した無許可車両がコースを約520㍍にわたって逆走し、SSのスタート地点に向かった。スタート地点ではトヨタのエルフィン・エバンス(英国)が待機していたが、侵入した車両の運転手はマーシャルの指示に従わず、車両の移動を拒否したため、競技は途中でキャンセルとなった。 さらに「発生したアクシデントは深刻であり、コミュニケーション不足が重大な事故の原因となった可能性があるという審査委の意見に競技長も同意した」などとし、国際自動車連盟の安全部門、日本自動車連盟などと協力して、道路の監視と連絡通信に関してマーシャルへのトレーニングを実施するようにも命じた。要求された条件を果たした場合は罰金の総額が5万ユーロ(約800万円)に減額となる。 大会実行委員会は岐阜県警恵那署に被害届を提出する方針でいる。 ラリージャパンは競技が最終日まで続けられ、トヨタがマニュファクチャラーズ(製造者)タイトル4連覇を獲得。同チームの勝田貴元は総合4位だった。ドライバーズタイトルにはヒョンデのティエリー・ヌービル(ベルギー)が初めて輝いた。
中日スポーツ