15.6インチ画面搭載のプレミアムクラス 特集・ANA 787-10国内線仕様機(1)
全日本空輸(ANA/NH)が国内線次世代フラッグシップとして導入を始めたボーイング787-10型機の国内線仕様機が、ゴールデンウイーク前の4月21日に初期受領4機が出そろい、羽田発着の国内幹線を中心に投入されている。ANAの国内線現行機材では2番目に座席数が多い429席で、繁忙期に提供座席数を増やしつつ、777と比べて約25%の燃費改善が見込まれる。 【写真】15.6インチ画面を備えるANA 787-10国内線仕様機のプレミアムクラス ANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、787-10の国内線仕様機を11機発注済みで、2026年度までに受領する計画。当初は2023年秋に就航予定だったが、ボーイングで787の納入遅延が発生している影響で、初号機(登録記号JA981A)の受領は今年3月17日(現地時間)となり、同月27日の羽田発札幌(新千歳)行きNH59便が初便となった。 その後は2号機(JA983A)が30日の羽田発福岡行きNH245便、3号機(JA984A)が4月12日の羽田発広島行きNH683便、4号機(JA982A)が21日の羽田発札幌行きNH51便から運航を開始。4機がそろい、ゴールデンウイーク中は5日までに羽田発着の札幌、関西、福岡、長崎、鹿児島、那覇と、伊丹-札幌線に投入されている。 座席数は2クラス429席で、プレミアムクラス28席、普通席401席。1998年に就航し、退役が始まっているANAの国内線最大の機材である777-300の2クラス514席(プレミアム21席、普通席493席)に次ぐ座席数を誇る。 3機種ある787のうち、超長胴型となる787-10の全長は68.3メートルで、標準型の787-8(56.7メートル)と比べて11.6メートル、長胴型の787-9(62.8メートル)より5.5メートル長く、777-200/-200ER(63.7メートル)よりも4.6メートル長い。ANAは、400席クラスの777-200/-200ER(2クラス405席、新仕様は同392席)に加え、500席クラスの777-300も787-10で置き換え、大型機による運航便の低騒音、省燃費化を進める。 787-10の国内線仕様機は、ANAの787では初めてGE製エンジンを採用し、2021年12月9日に就航した787-9の国内線新仕様機と同じくGEnx-1Bを搭載。シートも新仕様機と同じものを採用した。 プレミアムクラスは、サフラン・シート・US(旧ゾディアック・シート・US)製シートを採用し、座席配列は2-2-2席の1列6席。表面を従来の革張りから布地に変更することで、滑りにくくした。個人用モニターは、ANAの国内線用中大型機では最大クラスとなる15.6インチのタッチパネル式のものを採用している。 本写真特集では、787-10国内線仕様機のプレミアムクラスを取り上げる。
Tadayuki YOSHIKAWA