荒川第一調節池周辺を巡る2時間弱の水辺散歩は、物思いにふけるのにちょうどいい時間
荒川第一調節池排水門は目前まで近づくことが可能。そのスケールの大きさを肌で感じることができた。
ここを折り返し地点として彩湖の反対側に回り、また歩行者道路をひたすら歩いていく。荒川の本流と彩湖に挟まれたこの道は、未舗装路。一度だけジョギング中の人とすれ違ったが、それ以外は前にも後ろにも誰もいない。 少し寂しくなってきたので、スマホで音楽を鳴らしながら歩いたが、誰にも迷惑がかからないような場所だった。
やがてまた道が舗装路になったころ、背後から車が近づいてくる音が聞こえた。狭い歩行者専用路になぜ? と思って振り返ると、屋根に赤色灯を灯した施設のパトロール車だった。 道の真ん中をてくてく歩く僕を驚かさないように気づかってくれたのか、最徐行で静かに走っているので道の端に避けると、運転していた職員さんはにこりと笑いながら会釈して追い抜いていった。
左手に広がる荒川河川敷のゴルフ場を眺めながら再び幸魂大橋の下をくぐると、左前方の遠くに、また別の大きな水門が見える。Googleマップで調べてみると、あれは「さくらそう水門」というらしい。
そちらに向かってみることにした。 さくらそう水門があるのは、さっき見学した水位調節堰と荒川第一調節池排水門の反対側、彩湖の最上流端である。近くにある昭和水門とともに、荒川の支流である鴨川の水をコントロールし、荒川本流に流れ込む水量を調節しているのだそうだ。
彩湖ができる以前からこの地域の治水に大きな役割を果たしてきたこれらの水門は、現在も荒川第一調節池の一部として稼働している。 それにしても、水門というのはなぜこんなにかっこいいんだろう。惚れてしまいそうだ。
彩湖を中心に荒川第一調節池をぐるっと散策するのにかかったのは2時間ほど。アップダウンは少なく、緑に囲まれた散歩道は心地よく、我が身の来し方行く末に想いを馳せ、悲しんだりするのにちょうどいい時間だった。 駐車場脇の看板に止まっていたカラスに別れの挨拶をして、僕は帰路についた。