荒川第一調節池周辺を巡る2時間弱の水辺散歩は、物思いにふけるのにちょうどいい時間
ある夏の日の昼下がり。 そんな重大使命を担う地、荒川第一調節池の中を一人歩いてみた。
■彩湖をぐるっと巡る歩行者専用道路をひたすら歩く 彩湖に隣接する公園の駐車場に車を置き、まず向かったのは「彩湖自然学習センター」。
5階建ての同センターには、荒川の周囲に生息する動植物の解説展示とともに、荒川治水の歴史と調節池の仕組み・役割などがパネルで示されていた。 前段で述べた荒川と調節池に関する知識は、ここで手っ取り早く吸収したものである。
上階や屋上は展望フロアになっていて、彩湖を見渡すことができた。
どこのフロアに行っても人っこ一人見当たらず、貸切状態だと思っていたら、展望室になっている5階に、彩湖と湖にかかる橋をゆっくりと眺めているおじさんが一人いた。 こんなド平日の昼間に、何をやっているのだろう。 こっちも人のことを言える身分ではないが。
彩湖自然学習センターを出て、湖のほとりに立つ。 天気はいまいちだったが、いい風が吹いていて、ウィンドサーファーが気持ち良さそうに水を切っていた。
彩湖にまたがる2つの橋のうち、大きいほうは幸魂大橋(さきたまおおはし)という名で、荒川第一調節池を建設中の1992年に架けられたもの。国道298号と東京外環自動車道が通っている。
橋の下をくぐって彩湖沿いの道を歩いていくと、土手の上に歩行者専用道路が伸びている。遠くに大きな水門が見えるので、そこを目指すことにした。
歩き始めてすぐ、左手に鉄骨と通路や階段がむき出しの建物が見えてきた。 工場マニアにも好まれそうな無骨な外観に見惚れつつ、学習センターでもらったパンフレットのマップで調べてみると、「荒川水循環センター」という下水道施設だった。ここもなかなか素敵なインフラなので、また別の機会にゆっくり訪問してみよう。
■水門LOVE 歩みを進めると徐々に近づいてくる煉瓦風タイル張りの大きな水門は、荒川第一調節池から荒川に水を流すための排水門。 その手前にあるやや小さめの水門は、彩湖の最下流端に位置する水位調節堰で、調節池の水位を細かくコントロールしているそうだ。