大阪・新今宮駅前の土地に「星野リゾート」進出 以前は何があったの?
新今宮駅前の土地に「星野リゾート」進出 以前は何があった? THEPAGE大阪
大阪市はこのほど、全国で高級ホテルなどを展開している「星野リゾート」(本社・長野県)にJR新今宮駅前にある市有地、約1万4000平方メートルを18億円で売却すると発表。星野リゾートは2022年にホテル開業を目指す。 【360度画像付き】通天閣・はしごでお天気ネオンの上へ行き撮影した周辺の風景
20階建て・約600室のホテルを開業する予定
同市の発表によると、星野リゾートは「観光客が大阪を楽しむためのおもてなしにあふれたホテル」をコンセプトに、20階建て・約600室のホテルを開業する予定で、着工は2019年度内に行うという。 この土地の周辺には、自動車工場やアパートが建ち並び、徒歩圏内には通天閣や新世界、天王寺動物園などもある。 ホテルができると聞き、この場所から近い新世界のジャンジャン横丁で店を出しているという60代の男性は「そういうので景気がよくなるかな。昔近くに遊園地が出来た時もそうやったなぁ」と話す。 この遊園地とは、今回話題となっている土地から直線で東へ約200メートルもない場所に位置し、遊具や映画館、商業施設などが入り「都市型立体遊園地」として営業していた「フェスティバルゲート」のことだ。しかし約10年で営業が終了し、現在は「MEGAドン・キホーテ新世界店」などが入った商業施設になっている。 男性は「遊園地が出来た時はたくさん人が来た記憶がある。そのホテルができるのは活気があってええんちゃうかな。だって、あんな駅前やのに長いこと空き地やったからなぁ」と話す。
以前は浪速警察署の仮庁舎があったことも
筆者が今回の土地をカメラで撮影していると「ここにホテルできるんやろ」と、近くに住むという70代の西成区の男性が声をかけてきた。「前は工場があったり、警察署の時もあったわ。けど、今となってはなにもないイメージが強いなぁ」と話す。 この男性が言う通り、大阪市が3年前に発表した土壌汚染調査結果公表の資料によると、ここは1996年から2009年までは、浪速警察署の建替え時の仮庁舎や、大阪府警本部なにわ別館として使用(大阪市が所有)されていた。それ以前は、クラブコスメチックスの研究所・化粧品工場、日本ラス工業の工場があったという。
すぐ近くには1000円台などの簡易宿所が存在
男性は「すぐそこにはドヤ(簡易宿所)街やろ。なんか高級ホテルのイメージが合わへんわ」と続けた。こちらも男性が言う通り、すぐ近くには1000円台で泊まれる場所も多く存在する。そうした場所に星野リゾートが進出するわけだが、それによってこの周辺はどう変わっているのだろうか。 男性は最後にこう語っていた。「遊園地(フェスティバルゲート)みたいにならんように祈るわ」