八百万の神々を迎え入れる「神迎神事」が営まれる…出雲・稲佐の浜
全国から八百万(やおよろず)の神々を迎え入れる「神迎(かみむかえ)神事」が10日夜、島根県出雲市の稲佐の浜で営まれた。コロナ禍が明け、5年ぶりに一般の人々の参列も可能となり、約8000人が神事を見守った。 【地図】島根県
旧暦の10月10日に合わせて実施される。
四方をしめ縄に囲まれ、松明(たいまつ)がたかれた浜では、神々の先導役とされる「龍蛇神(りゅうじゃしん)」を安置した祭壇の前で、神職が祝詞を奏上。神々のよりしろとなる「神籬(ひもろぎ)」と呼ばれるサカキを絹垣で囲み、出雲大社まで向かう「御神幸行列」は悪天候で見送られ、神々はバスで移動し、宿となる境内の十九社(じゅうくしゃ)へ案内された。
神々は男女の縁結びや国のあり方を話し合う「神議(かみはかり)」を行うとされ、17日、神等去出祭(からさでさい)が営まれ、神々は大社を旅立つ。
東京都町田市の会社員(56)は「厳かな雰囲気の中、皆で神様を迎えられた。新たな気持ちでまた仕事に臨みたい」と話していた。