中国外務省の林剣報道官、衆院選結果に「論評しない」 日本の政治状況見極めようと注視か
【北京=三塚聖平】中国外務省の林剣(りん・けん)報道官は28日の記者会見で、日本で27日に行われた自民、公明両党の与党が過半数を割り込んだ衆院選について、「日本の内政なので論評しない」と述べつつも、「日本が中国と歩み寄ることを望む」と呼び掛けた。 林氏は、日中関係について「長期的に健全で安定した発展は両国人民の根本利益に合致する」と主張。日本側に対し、昨年11月に習近平国家主席と岸田文雄前首相が合意した「戦略的互恵関係の包括的な推進」や、「新時代の要求に合致する建設的で安定した中日関係の構築」を進めることを日本側に呼び掛けた。 従来の見解を越えるような反応はなかった。中国側は、石破茂政権が継続するかどうかといった日本の政治状況を見極めようと注視しているとみられる。 中国国営新華社通信は28日に配信した記事で、衆院選の結果を受けて「石破政権の将来は変数に満ちている」と指摘。「自公連立政権が続くとしても、今後の政権は必ず多重の難題に直面することになる」との分析を伝え、課題として政治改革や外交・安全保障などへの対応を挙げた。