若年層で増える「オーバードーズ」 依存症や命の危険も 沖永良部高校で講演会 鹿児島県
【鹿児島県・沖永良部】市販薬の「オーバードーズ(過剰摂取)」に関する講演会が16日、沖永良部高校(德留健作校長)であった。全校生徒236人が参加し、薬の過剰摂取のリスクや薬の正しい使用法について理解を深めた。 近年、市販薬の過剰摂取が社会問題となっており、薬を乱用目的で使った経験が10代で増加しているという。 この日は、学校薬剤師の松瀬珠美さんが講師を務めた。せき止めや風邪薬を過剰摂取した場合の危険性について「麻薬性のある成分がごく少量含まれていて、大量に飲むと一時的に気分が落ち着いたり、高揚したりするが、やがて同じ量では効果が出なくなり、飲む量が増えていく。中断すると、気持ちが落ち込んだり、体調が悪くなったりする」と説明。重大な健康被害につながることや、心臓停止で死亡する事例も報告されているとした。 また、過剰摂取に至る一つの要因として、生きづらさを挙げ「人には得意、不得意がある。ほかの人に助けを求める勇気を持ってほしい。そうすれば薬に手を出す必要がなくなるかもしれない」と語った。 このほか、年齢や体重によって必要な薬の量の違いやカフェインを過剰摂取した時の副作用なども伝えた。 3年の若宮夏恋さん(18)は「オーバードーズという言葉を知らなかった。薬の過剰摂取による副作用を聞いて怖さを感じた」と話した。