母が「育児放棄」、国内初の人工哺育アフリカゾウ「媛」18歳に…妹にエサ譲る優しさで人気
愛媛県立とべ動物園(愛媛県砥部町)で9日、雌のアフリカゾウ「媛(ひめ)」が18歳になり、誕生会が開かれた。駆けつけた家族連れら約350人が祝った。
媛は2006年11月9日、同園で生まれた。母ゾウが子育てに関心を示さなかったため、アフリカゾウとしては国内で初めて、人工哺育された。現在は、体長3・15メートルで、体重は約3・5トン。エサを食べる際、妹の砥愛(とあ)(11歳)に譲ることもあり、優しい性格で人気を集めている。
誕生会では、アフリカゾウを支援する民間団体が「ひめちゃんおめでとう」などと書いた横断幕を用意。ファンがこの日のために園に贈ったスイカやバナナなどの果物を、媛が長い鼻を使って器用に食べると、大きな歓声が上がった。媛の写真をあしらった特製缶バッジも配られ、訪れた人たちが列をつくっていた。
家族で訪れた砥部町の公務員女性(44)は「地元の動物園に生まれて、成長して、身近に感じる。来年もお祝いさせてもらいたい」と笑顔。担当飼育員の兵頭佳夫係長は「大きな病気もせずに元気に育った。今日も好物の果物を食べてくれて、うれしい。これからも、すくすく成長する姿を見守りたい」と話した。