<新宿タワマン刺殺事件>51歳男が20代女性に…和久井容疑者の“客観性のなさ”を育んだ「日本特有の問題点」
娘ほども年の離れた女性に熱を上げる中年弱者男性
新宿タワマン刺殺事件の和久井学容疑者、そして頂き少女りりちゃんこと渡辺真衣被告に騙されたおぢ達。中年弱者男性にまつわる事件がクローズアップされています。なぜ娘ほども年の離れた女性に熱を上げてしまうのでしょうか? ⇒【画像】20~40代男性にも売れている女児向け本 『自分をもっと好きになる 【ハピかわ】かわいいのルール』 フリーライターの西谷格氏は、そうした男性を「自分を客観視できない残念な人」と切り捨て、こう続けています。 <いい歳をした大人が、親子ほど歳の離れた人間を恋愛感情込みで推す感情は、本来ちょっと恥ずかしいと捉えるべきではなかろうか。>(「新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由」ニューズウィーク日本版 2024年5月10日配信) 筆者も西谷氏と同意見です。ネット上では男性を中心に、ずる賢く金品をせびる女性への批判が多くあがっていますが、むしろそこで怪しいと感じるセンサーが働かない男性側のほうが深刻なのではないでしょうか。それこそが、西谷氏の言う客観性の欠如だからです。
問題の根源は「幼少期からの刷り込み」
しかしながら、これを中年男性だけの問題とすることにもためらいを感じます。なぜなら、男は物心ついたころから仕事で成功し、稼ぎ、いい女と付き合うことがゴールだと教えられてきているからです。 そこで、仕事も先が見えてきた、給料もこれ以上上がりそうもない。そんな自分にもいい女と付き合えそうなチャンスが転がり込んできたら、どうでしょう? その穴を埋めてなけなしのプライドを保とうと考えても全く不思議ではありません。 こうした罠にハマってしまう根源には、“モテ”があるのではないでしょうか。このモテなければという強迫観念が客観性を失わせ、年齢なりの余裕、良い意味での諦めを失わせてしまう。それが幼少期から刷り込まれていたとしたら病巣は根深いと言えるでしょう。 だから、これは中年の弱者男性に限らず、むしろ男性全般における問題なのですね。
女児向け本に感銘を受ける成人男性
そうした中で、2019年に発売された『自分をもっと好きになる【ハピかわ】かわいいのルール』(池田書店)が、いま20~40代の男性に売れている(※)のは象徴的な出来事です。小学校高学年の女子に向けた本に、なぜ社会人男性が感銘を受けているのでしょうか? ※「なぜ? 女児向け本、社会人から大反響で10万部突破 編集者が明かす、意外なヒットの理由」Real Sound 2024年5月10日配信より 『ハピかわ』のコンセプトは明快です。他人との関係をどうやって気持ちよく作っていくか。そのための具体的な方法を細かく説明しているのです。たとえば、人の目を見て挨拶をする。猫背にならない。下品ではない笑顔の作り方。清潔感あるファッション。 こうした内容から伝わるのは、自分という人間は他人のために存在しているということ。そうした心配りが相手に伝わるような振る舞いこそが重要だと言っているのですね。そう、まさに客観性の話なのです。 モテるモテない以前に人としてわきまえておくべきことを教えてくれるのです。