ウォーレン・バフェットが語る、最高のリーダーになる「3つの条件」
数年前にウォーレン・バフェットはMBAの学生たちを前に、周りのクラスメートの中で将来成功を収める可能性の高い人、その人の年収の1割を生涯にわたってもらえるとしたら誰を選ぶかと問いかけたことがありました。 「おそらく、リーダーシップが発揮できて、周囲の人を巻き込んで自分の目標を達成してしまう人を選ぶのでは」とバフェット氏。 「そして、懐が深く、誠実で、相手のアイデアはその人のものとちゃんと認めてくれるような人では?」と人物像についても描いてみせました。
バフェットの成功の教訓
有能で成功するリーダーという課題について、『Warren Buffett on Business:Principles From the Sage of Omaha』(ウォーレン・バフェット・オン・ビジネス オマハの賢人の原理)という著書でバフェットの洞察が簡潔に述べられています。 そのようなリーダーとは、単に技術や知識があるだけでなく、寛大で誠実であり、他者の可能性をも引き出せる資質を持ち合わせている人である、と。 今回は、これらの資質が実際何を意味するのか、また、あなたのリーダーシップのスタイルにどう生かせるかをひも解いていきましょう。
1. 寛大な心
リーダーが「惜しみなく与えてくれる」タイプだと皆が理解している状況では、リーダーの意図に他意はないことを皆が確信しているので、心からリーダーをサポートしてくれるようになります。 さらに、より大きな目標へのコミットメントをリーダーが示すことができれば、皆のあいだにより強い目的意識が芽生え、モチベーションが高まり、より大きな充実感を持って業務を遂行できるでしょう。その結果、パフォーマンスと成果もおのずと向上します。 親友のビル・ゲイツは、バフェットの強みである寛大な心について、こう評価しています。 「どんなにお金があっても時間を買うことはできない」と2013年にゲイツは書いています。 人間誰しも1日24時間しかない。ウォーレンはこれがよくわかっているので、ムダな会議に時間を費やすことをよしとしない。 優先順位を明確にすることで、バフェットは自身が懇意にしているアドバイザーや大事な人との時間を確保することができているそうです。「信頼する人に対しては、彼は寛大に時間を割いてくれます」とゲイツは述べています。 どうすれば寛大な心で行動できるのか、その実践的なヒントを2つご紹介しましょう。 社員の成長に投資する:研修プログラムやカンファレンス、メンタープログラムなど、チーム全員が研鑽を積み、成長できるようなリソースや機会を提供してください。 オープンな姿勢:チームの人間が自分に話せる時間をつくる。定期的な1on1ミーティングやオープンドア・ポリシーなど、彼らの意見に耳を傾け、サポートする用意があることを示してください。