金融庁、メガバンクの海外ファンド向け融資を検証へ-屋敷局長
屋敷氏が率いる総合政策局は金融庁にある3局の一つ。同庁の約1600人の職員のうち600人超を抱える最大の局だ。同氏によると、総合政策局は信用リスクなどカテゴリー別のリスク管理の観点から金融機関を検証、監督局では個々の金融機関のビジネスモデルの検証を担う。
融資規律の緩みチェック
メガバンク・地銀の共通課題として屋敷氏は融資規律の強化を挙げる。「中堅企業で長期にわたる粉飾が発覚し、取引銀行が多額の信用コストを計上する事案が相次いでいる」ためだ。帝国データバンクによると、24年1-9月の粉飾倒産件数は74件と前年同期比で約3割増えた。
屋敷氏は銀行について「超低金利環境の中で目先の収益確保」のために管理部門も含め各部署が「健全な猜疑心と職業的懐疑心を欠いていたとの疑念を拭えない事例が数多く確認されている」と述べた。こうした実態を検証していく考えだ。
屋敷氏は08年から11年まで検査局企画情報分析室長として検査を指揮した。かつての金融検査マニュアルに基づき個別の融資先を細かく資産査定するような手法は取らないと説明。「反省を込めて言うと、その検査手法では金融機関のリスクプロファイルを把握することは全くできないと思う」と当時を振り返った。
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