1日約2万7000食! 70周年の横浜駅弁「シウマイ弁当」は、どのようにして出来るのか?
●横浜名物シウマイの隠し味は、「干帆立貝柱」!
まずは「シウマイ」の製造です。シウマイの原材料は、国産の豚肉、玉ねぎ(北海道産)に加え、“冷めてもおいしい”を実現するため、干帆立貝柱を“隠し味”として使っています。聞くところでは、北海道・オホーツク海産の帆立の貝柱だそう。この他、グリンピースが入り、味付けは、塩、砂糖、こしょう、でんぷんのみ。おいしいものはやはりシンプルに作られているんですよね。
国産豚肉は、冷凍保存をせずに、製造直前に精肉して挽いていきます。肉の餡には干帆立貝柱を戻した旨味が溶け出したスープごと混ぜているそう。この餡にはグリンピースをあらかじめ混ぜ込んでいるのも崎陽軒ならではの特徴です。成形されると95℃の蒸し器で10分間蒸されシウマイは完成。全部で8つの製造レーンがあり、うち2つが昔ながらのシウマイとなっています。
●崎陽軒の新入社員は必ず通る道・シウマイ弁当の紐かけ!
「シウマイ弁当」は、蒸気炊飯で炊かれて成形された俵型ご飯・昔ながらのシウマイ・鮪の漬け焼・蒲鉾・玉子焼き・鶏の唐揚げ・自家製シロップで漬けられたあんずの順に盛り付けられ、最後に経木の折箱の角の小さなスペースに、切り昆布と千切り生姜を詰めます。次から次へ流れてくる弁当を前に、狭いスペースにスムーズに盛り付ける様子は、何度見ても職人技。経木の折箱はオリジナルのものだそうです。
そして横浜工場・本社工場製の「シウマイ弁当」に欠かせないのが、昔ながらの掛け紙にひもを十字にかけていく作業。こちらはしっかり手作業で行われていました。ギュッと結ぶ紐に込められた作り手の愛情が、紐をほどくときに感謝の気持ちとしていただく人間に届く。この気持ちのやり取りが、駅弁の醍醐味のように感じます。春の入社式シーズンですが、崎陽軒では、シウマイ弁当の製造ラインを体験する新入社員研修があるといいます。
【おしながき】 ・俵型ご飯 小梅、黒胡麻 ・昔ながらのシウマイ ・鮪の漬け焼 ・蒲鉾 ・鶏の唐揚げ ・玉子焼き ・筍煮 ・あんず ・切り昆布&千切り生姜