PARCO劇場「東京輪舞」初日前会見&プレスコール レポート【髙木雄也さんコメントほぼ全文】
「等身大の自分がどう感じるか、大事にしながら観てほしい」(髙木)
ーー杉原さんに。さきほど清水さんがワクワクするとおっしゃっていましたが、ステージセットのコンセプトを教えてください。そしてみなさん、このセットの気に入っているところなどを教えてください。 (と、髙木さんが清水さんに何やらこっそり相談……) 杉原 今回は東京を舞台に、一番最初は東京の、渋谷のど真ん中のPARCO劇場で上演するということもあり、舞台の上の空間に物語上、プラス、地続きの東京の街並みをどのように実現させようと思って。 僕のコンセプトは東京ルーム、東京シアターというか。とにかくここは東京だ!って言いまくるということで、デザインしようと。 文字の情報というものが今は社会に溢れているので、それもイメージしてタイポグラフィーを使ったデザインにしました。出道具、RONDEの文字とかドアのついたパネルが次々出てきてシーンを構成するんですけど、その道具が輪舞のように動く(髙木さん、踊るような仕草に)、踊りながら空間を構成しているような擬似空間にできたらいいなというのが一番のコンセプトですね。 清水 実際に全面が「TOKYO」となっていると芝居をやっているときの感情も変わってきますし、お金かかってますよね。すごいんですよ。観ていて多分ワクワクすると思います。「東京 TOKYO」って一見賑やかなんですけど、私はちょっと孤独を感じるセットだなと思っていて。 この作品が終わって暗転した瞬間にすごい寂しい気持ちなんですね。なんかそれがやっぱり東京だなあって。いっぱい人がいるし、いろんな人がいる、でも孤独を感じるのが東京だなと思っていて。脚本もそうだしこのセットもそれが全部合わさっているなって本当に素敵なセットだなって思ってます。 髙木 ……あの……信じてもらえないと思うんですけど、まっっったく同じでした!(会場笑) 信じてはもらえないと思うんですけど! 清水 さっき「先に言って」って言ったよね?(笑) 髙木 いやあ、なんだろうな。この、文字がバーッてなっている感じが、ああ東京って人がものすごくいて、いろんな方がいて、というのが詰まってるなぁっていうのを感じましたね。セットが色々変わっていくんです。別のものになったり別のシーンになったり。でも結局全部一緒な感じというのが、僕はいいなと。 すごくきれいにまとまっているな……っていうと、なんだか上から(目線)になってしまいますけれど…… 大丈夫ですか?(笑)すごくきれいにまとまってるなと思いました! ――演じやすいですか? 場面転換とかだいぶ変わっていきますが。 髙木 もちろんです! ねえ?(笑)切り替えやすいです。セットがガーッと動いていくので。その動きでなんか自分自身が変わっていって、出ていけるというのが。やりやすいです、僕は。 杉原 この空間を実現するためにステージパフォーマーという8名の俳優さんが道具転換をしてくれているんですけれど、いわゆるこう場面転換を動作的にではなく、身体的に動いているような空間にしたいということで、あえて俳優さんが道具を動かしてくれています。そこらへんも見どころかなと思います。 カンパニーのチームワークを見せた会見の最後には、髙木さんが代表してご挨拶。 髙木 「東京輪舞」、このメンバーで作りあげました。観る方は、年齢とか過ごした環境とか今の気持ちとかでもしかしたら見え方が変わってくるかなと思うんですけど、今の等身大の自分が観たときに「どう感じるか」というのを大事にしてもらって、観てもらえたら嬉しいです。4月20日まで、いろいろ地方もまわるので、ぜひみなさん、もしよければ“遊びに”来てください(と手を振りながらお茶目な口調で)。お願いしまーす! 山本 それをまったく僕も言おうとしていました(笑)。それを忘れていました。 髙木 ありがとうございました! ステージから退場する際には、キャストと電車ごっこのような仕草で去るなど、終始ピースフルな会見となっていました。 ステージによく映えるスタイルの良さも活かしつつ、東京の「今」を生きる青年像を独特のリアリティで演じきっている髙木さん。共演の清水さん、そして信頼のおけるチームとの出会いの中、のびのびと俳優としての成長を遂げているその姿、ぜひチェックを。 PARCO PRODUCE 2024 東京輪舞(トウキョウロンド) 原作/アルトゥル シュニッツラー 作/山本卓卓 演出・美術/杉原邦生 出演/髙木雄也・清水くるみ 東京公演/3月10日~3月28日 PARCO劇場 福岡公演/4月5日~4月6日 久留米シティプラザ ザ・グランドホール 大阪公演/4月12日~4月15日 森ノ宮ピロティホール 広島公演/4月19日 広島上野学園ホール