豊昇龍「くそー!」相星決戦に敗れ絶叫「仕切り線で滑った」攻め込みながら最後にはたき込み食らう
<大相撲九州場所>◇千秋楽◇24日◇福岡国際センター 相星決戦に敗れた大関豊昇龍(25=立浪)は、支度部屋に戻ると「うおお、くそー!」と絶叫した。 初優勝した昨年名古屋場所を超える自己最多の13勝をあげて、千秋楽を迎えた。琴桜相手の相撲も完全に豊昇龍のペース。「全然、緊張しなかった。自分の相撲だったんですけどね」。攻め込みながら、最後にはたき込みを食らった。「仕切り線で滑ったんだよ」。痛恨の落とし穴が、絶叫につながった。 とはいえ、13勝2敗で優勝争いを盛り上げた活躍は来場所につながる。次は琴桜との「綱とり物語」。豊昇龍は「(来場所は)死ぬほどやり返す」と強烈なライバル心を隠さなかった。 大関在位8場所目で2桁勝利は5度目と務めを果たしてきている。足りないのが「優勝」の2文字。師匠の立浪親方は軽量ながら31回優勝の大横綱、千代の富士さんを目標にあげていた。「大きな体ではないけど(左)前みつをとっての速攻相撲だよね。そういう相撲を目指してほしい」。理想の形には近づいている。 今場所は琴桜に譲ったが横綱昇進争いは負けられない。「自分はそういうのは意識しない」と言いつつ、メラメラ燃える思いは隠せない。今場所の大一番の黒星も「悔しいね」。強烈なライバル関係から「龍桜」時代の到来が注目されるかもしれない。【実藤健一】