巨人・阿部慎之助監督が浅野へ秋広へ「球拾いのススメ」 「気づきができる人間に」「技術向上つながる」…清水隆行氏と対談
巨人の阿部慎之助監督(45)が30日、浅野、秋広ら若手選手の飛躍に向けたテーマに「気づき」を掲げた。「ラジオ日本新春スポーツスペシャル 阿部慎之助監督 2025ABEトーク」(1月1日午前10時~)の収録に臨み、OBで野球評論家の清水隆行氏(51)と対談。グラウンドに球が落ちていたらすぐに拾うなど具体例を挙げ、常に広い視野で行動することが、野球の技術向上にもつながると力説し、成長を願った。 現役時代ともにプレーした阿部監督と清水氏。対談で熱を帯びたのは、高卒2年目の今季、終盤にスタメンに定着して満塁本塁打を放つなど打率2割4分、3本塁打、18打点で優勝に貢献した浅野の話題だった。 清水(以下、清)「浅野君はちょっとステージが上がったんじゃないかと思いますが、どうですか」 阿部(以下、阿)「僕は(秋季練習で)『自問自答してくれ』と言ったんですけど、本人は『後半スイングできませんでした』と言っていて。この球を振っちゃいけないとか、当てにいっちゃったりという後悔がたくさんあったみたいで。それをどう変えられるのか見ていこうと思いますね」 清「そこは超えていかないといけないところですもんね。それまでは怖いもの知らずで振っていたのが、だんだんストライクを投げてくれなくなって。ボール球を振ったらどうしよう、となってストライクを振れなくなる。そのループだと思う。そこからもうワンランク上がれるかですよね」 阿「ジャイアンツにドラフト1位で入ってきている選手ですし、スターになってほしいなというのはありますし、十分なれる素質は持っていると思います」 清「満塁のシチュエーションで回ってきてホームラン(8月14日の阪神戦でプロ初の満塁弾)打てるわけですから。持ってるか持ってないかで言ったら持ってる選手だと思いますよ」 浅野とともに大きな可能性を秘める秋広についても言及。昨年は121試合で打率2割7分3厘、10本塁打、41打点の成績を残したが、今季は26試合で打率2割6分1厘、0本塁打、1軍での12安打のうち長打は二塁打1本のみだった。 阿「僕は最初からずっと(2軍監督時代から)見てるのでね。彼には厳しいですけど。何で打てないのかとか、何で1年前に多少の数字は残せたのかっていうのをね、もっと考えてほしいなって。思考力がないのかなと僕は思いますよ」 清「そういった意味ではこのオフ(オーストラリアウィンターリーグに参加し)海外で過ごしたことがきっかけになればいい」 阿「海外で試合をして、どう変わったのかというのを見たいと思いますね」 浅野や秋広ら飛躍が期待される選手は多い。若手が殻を破って突き抜けるために必要なことは。阿部監督が言葉に力を込めた。 阿「今の選手って真面目すぎるので。もっと遊び心を持って、いい意味で言うと“テキトー”みたいな部分が足りないなと。あとは、人として気づきができる人になってほしいですね。それをテーマに入れようと思います。周りが見えていればできることなんですけど、例えば練習中に近くにボールが落ちているのに拾わない選手が多いんですよ。気づきができないので、そのまま通り過ぎてしまう。そういう気づきができる人間になってほしいなと」 清「そういうことに気づければ、ちょっとしたことで(野球でも)技術アップにつなげられますよね」 阿「自分の技術向上にも絶対つながるはずなので。そういうことを言っていこうかなと思います」 清「監督はいろんなタイミングで打ったりしてましたよね。(タイミングや体勢が)崩れてからが勝負みたいな」 阿「そうですね。いろんな打ち方を試して、自分で最後にいいものをピックアップしてやると。ダメなものは捨てたりとか」 清「タイミングやその状況で自分に合ったものをですよね。体調だったり」 現役時代は捕手として目配り、気配りを大切にした阿部監督。日常生活でも野球でも細かい部分まで気づくことができれば、選手として1段階も2段階も成長できる。清水氏との対談で若手について思いを巡らせた。(構成・片岡 優帆)
報知新聞社