水道橋のライブハウスで活弁付き無声映画上映イベント
水道橋のライブハウス「壱岐坂ボンクラージュ」(文京区本郷1)が1月11日、活弁(活動写真弁士)の第一人者である澤登翠(さわと・みどり)さんを迎え、1933(昭和8)年製作の無声映画「滝の白糸」を上映するイベントを開催する。(文京経済新聞) 同店は、進学塾塾長、編著書の出版、名作映画の上映活動など多彩な経歴を持つ藤井秀男さんが、コロナ禍により活動ができなくなったミュージシャンに演奏の場を提供したいとの思いから、2020年8月にオープン。ミニシアター型のライブハウスとしてさまざまなイベントを企画している。 「ジャズのライブ、トーク付き映画上映、落語などの話芸、この3つを柱として企画している。人と人とのつながりが希薄になってしまった今の時代、生演奏やトークに関心がある人たちが一つの場所に集まり、同じ空気を吸って、同じパフォーマンスに接し、体験を共有することが大切。一期一会のライブの楽しさを知ってほしい」と、藤井さんはライブへの思いを熱く語る。 映画に音声が付いていなかった時代の無声映画は、日本ではストーリーを説明し、登場人物のせりふをしゃべる弁士が付き、楽士の伴奏も加えて上映していた。今でも無声映画の上映会では専門の弁士が付くことが多く、澤登さんの門下生をはじめ、ユニークな弁士たちがその伝統を受け継いで活動している。 今回上映する「滝の白糸」は、明治中期の金沢を舞台にした泉鏡花原作の悲恋物語で、溝口健二監督の無声映画時代の作品。主演は入江たか子と岡田時彦。澤登さんの語りに、カラード・モノトーン・デュオの湯浅ジョウイチさんのギターと鈴木真紀子さんのフルートが生演奏で付く。 14時開場、14時30分開演。参加費は3,000円。
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