日産・自動車大学校の京都校 自動車整備・カスタマイズ科が制作した「NEO SKYLINE」。

日産自動車は2024年12月24日、千葉の幕張メッセで開催されるカスタマイズカーの祭典「東京オートサロン2025」（会期：1月10日～12日）に、学校法人日産学園 日産・自動車大学校の学生が制作したカスタマイズカーを展示すると発表した。 【写真】日産・自動車大学校が制作した3台のカスタマイズカーを見る（9枚） 日産・自動車大学校は、全国に5校（栃木校・横浜校・愛知校・京都校・愛媛校）あり、5校に共通する自動車整備の国家資格取得を目指す学科に加え、モータースポーツ系や車体系（板金・塗装）の課程をもつ自動車整備専門学校だ。今回は車体系の課程を有する愛知校・京都校の学生が授業の集大成として制作した3台の車両を出展する。 新たにケンメリの魂を宿したクルマを 「NEO SKYLINE」は京都校 自動車整備・カスタマイズ科の4年生が6カ月をかけて制作。CV35型「スカイライン クーペ」をベースに1970年代に一世を風靡（ふうび）した通称“ケンメリスカイライン”こと4代目スカイラインをオマージュ。新たにケンメリの魂を宿したクルマをつくりたいという思いで制作したとのことだ。 30～50代のカスタマーを意識したとのことだが、車名につけられた「NEO」にはそれぞれの年代の人への思いが込められている。“N”は50代の人が子供のころ、街を走るケンメリに憧れていた当時を思い出して懐かしさ（Nostalgia）を感じてもらいたいという思い。“E”は忙しい日々を過ごす40代の人たちに、このクルマで夢中（Enthrall）になってドライブを楽しみ、日常のストレスを発散してもらいたいという思い。そして“O”は、1970年代当時、ケンメリが非常に斬新で独創的なデザインだったように、現代のクルマに見慣れた30代の方々に、今の時代のなかでの斬新さと独創性（Originality）を感じてほしいという思いから、それぞれのキーワードの頭文字を組み合わせている。 このコンセプトを具現するために、ケンメリの部品やデザインをそのまま流用するだけではなく、ケンメリらしさを残しながらも今の時代に合ったスタイルを探求した。ボディーカラーは、学生が考えたオリジナルカラーの「トモアキブルー」を採用。ケンメリの「ブライトブルーメタリック」をベースに、新たにパールを加え、懐かしさのなかにも新しさを表現したという。 ステージアがベースのZのワゴン 「Z Lealia」は同じく京都校の自動車整備・カスタマイズ科の4年生が6カ月をかけて制作。“家族と歩むスポーツワゴン”をコンセプトとし、刺激と日常を合わせ持ったクルマを目指して企画されている。スポーツカーが好きで「フェアレディZ」に憧れるお父さんに、家族一緒にスポーツカーでドライブを楽しんでもらいたいという学生の思いが込められている。車名のLealia（リーリア）とは、英語の「Lead（率いる）」とラテン語の「Familia（家族）」を組み合わせた造語とのこと。 ベース車両はM35型「ステージア」。同車のスクエアなデザインを一新し、最新のRZ34型フェアレディZのような流麗なデザインを実現するために、リアまわりはフェンダーやルーフを一部切断し、「日産リーフ」のリア部分を丸ごと取り付けて溶接。さらにリアフェンダーをワイド化することで、フェアレディZらしい筋肉質で迫力のあるスタイルを再現している。ボディーカラーはRZ34型フェアレディZ発表当時のイメージカラー「イカヅチイエロー」を採用した。 20代前半がターゲット層のブルーバード 「ブルーバード・極」は愛知校の自動車整備・カーボディーマスター科の3年生の作品。2024年4月から学んできた板金・塗装の技術を駆使している。製作期間は2.5カ月とのことだが、学生の思いや発想が詰め込まれた力作だ。 ベース車両は36年前に販売していたPU11型「ブルーバード」の最上級モデル「ブルーバードマキシマ」。センターピラーレスを採用した4ドアハードトップボディーを採用し、高級感と広い室内空間で人気を集めたモデルだ。 ブルーバード・極のコンセプトは“ラグジュアリー＆スポーツ”で、学生と同世代のクルマ好きの若者がターゲット。20代前半で、クルマが好き、ドライブが好き、そしてそんな仲間たちと一緒に盛り上がる時間が好き。仲間たちと楽しい時間を過ごすシーンを想像し、豪華でスポーティーに走る、まさに自分の愛車をつくるという思いを込めたという。日産のDNAを持つ学生がクルマの楽しさを表現し、外装、内装、走りにおいて、すべてを極めたいという思いからブルーバード・極と命名した。 ボディーカラーは海や青空を想起させる「オーロラフレアブルーパール」を採用し、若者向けらしく、活動的で若々しい雰囲気を表現したという。 （webCG）