秋の五箇山でこきりこ披露 被災の能登に心寄せ
五箇山の秋を彩るこきりこ祭りは25日、南砺市上梨の白山宮で始まった。越中五箇山こきりこ唄保存会員が被災の能登に心を寄せながら哀愁を帯びた「こきりこ」の歌声と優美な踊りを披露し、観光客は五箇山と能登の縁を心に留めた。 保存会員が白山宮の舞殿(ぶでん)で、奉納こきりこ踊りを披露した。狩衣(かりぎぬ)姿の男性が楽器「ささら」を鳴らして舞い、着物の女性が手踊りで観衆を引き付けた。境内で輪踊りが行われ、観光客もささらを手に踊った。 夜は白山宮の隣にある「こきりこ館」で舞台競演会が開かれた。 ●豪雨義援金募る 奉納踊りに先立ち、市観光協会の山崎友紀恵さんが踊りを解説した。江戸時代に五箇山に流され、踊りを伝えたとされる「お小夜(さよ)」が輪島市門前町出身と紹介し、境内で募っている豪雨災害の義援金に協力を呼び掛けた。山崎さんは「能登では孤立状態の集落もある。五箇山から善意を届けたい」と話した。 祭り最終日の26日は午後1時と3時に奉納踊り、5時に奉納獅子舞と踊り、7時に舞台競演会が始まる。