大阪・富田林で5世紀前半の新古墳発見 古市古墳群の造営に携わった有力者の墓か
富田林市教委は11日、同市喜志町の喜志南遺跡から新たに5世紀前半の「喜志南カイト古墳」(仮称)が見つかったと発表した。一辺約30メートルの方墳とみられ、円筒埴輪などの出土物から大型の大王墓に付属する小型の陪塚(ばいちょう)と類似しているといい、市教委文化財課は「(世界遺産の)古市古墳群の造営に相当な貢献をした有力者の墓と考えられる」としている。 発掘調査は昨年11~12月にかけて実施。見つかった古墳は幅約6メートルの広い周濠(しゅうごう)、葺石を丁寧に施した外堤を持ち、大型の円筒埴輪や馬形埴輪、貴人の日傘をかたどった蓋形埴輪が配置されていた。こうした特徴は陪塚と共通しているといい、4キロほど離れた王権による古市古墳群の造営に貢献した地域の有力者の墓とみられるという。同課の角南辰馬さんは「整った葺石、外堤、埴輪を使うことが許された集団が喜志という地域にいたことは、今までまったく知られていなかった」と新発見の意義を強調した。 発掘現場は現在宅地となっており、見学などはできない。出土した埴輪は15~29日、大阪大谷大学博物館(同市)で開催中の「大とんだばやし展」で展示予定。報告会は15日午前11時と午後1時半からの2回、同博物館で開催。参加費無料で申込不要。問い合わせは同博物館(0721・24・1039)。