【最新調査】若い世代のほうが、上の世代よりもリアル書店で本を購入していることが判明
「書店員のお勧めを求めて、店にくる若い読者が急増」
英国の書店協会が委託した新しい調査によると、Z世代とミレニアル世代は、それより上の年齢層よりも、書店で書店員の勧めに基づいて本を購入する可能性が高いことがわかった。 【画像】若い読者は、そろそろ本のお薦めコンテンツやインフルエンサーに疲れている? オンラインではなく「実店舗で本を購入する」と回答したのは、Z世代は49%、ミレニアル世代は56%と、ほぼ半数を占めていたのに対し、さらに年上のX世代(1965~1981年頃生まれ)は37%、ベビーブーマー世代(1946~1964年頃生まれ)は31%だった、。 この調査結果は、若者に対する固定概念、たとえば、若い世代はスマホに依存していて、「ソーシャルメディアなど画面上の娯楽の中毒になっている」「本を読まなくなった」といった先入観に疑問を投げかけるものだと、英紙「ガーディアン」は報じている。 英国の書店員たちが同紙に語ったところによれば、この結果は「驚くようなことではない」。「ここ数年、書店員のお勧めを求めて、店にくる若い読者が急増している」という。 一体、なぜか? エディンバラ在住のある女性(27)は、書店で本を買う体験は「アルゴリズムに基づいて本を選ぶよりずっと楽しい」と語っている。 また、24歳の男性は「結局、アルゴリズムはそのジャンル内の同じ本を提供すること以外には、ほとんど何もしない」と述べている。 「逆に書店員は、まるでDJのように、こちらの好きなタイプの本を伝えれば、普段は読まないジャンルの本も提案してくれる可能性がある」 そのセレクションのなかには、「宣伝で一度も見たことのない本」や新旧さまざまな本が混じっており、そういった多様でパーソナライズされた本の提案に、若い読者の多くが高い価値を感じているようだ。 背景には、アルゴリズムとオンライン小売業者への抵抗も少なからずあるようだ。 若い読書愛好家の多くは、 パンデミック頃からブックトック(TikTok上の本の口コミ動画)やブックトッカー(本のインフルエンサー)のお勧めの影響を受けて本を選んできた。 ところが、そういったコンテンツやアルゴリズムに日々晒され続けてきたことで、彼らはその習慣に飽きた、もしくは疲れてきていると推測されている。 さらに、書店員らはこう語っている。 「パンデミック以降、学生や若い読者が、サイン本や新しい特別版の本を買いによく来るようになった」 彼らは「お気に入りの作家と繋がりを持ちたい人たち」であり、そういう読者にとって、書店で開かれる「作家のトークイベントは大きな魅力になっている」 こういった「深いつながり」こそが、多くの若い読者にとって、リアル書店が魅力的になった主な理由だという。