「PTAが地域とつながれるチャンスに」大学教員の遠藤晃弘さんの考える理想のPTAとは?
声に出せば、行動すればちょっとずつでも変わる! みんなのPTA奮闘記
昭和の時代から脈々と引き継がれてきたPTAのルールややり方に、これおかしくない?と疑問を感じ、それぞれのやり方で、よりよいほうにと動いた遠藤晃弘さんにインタビュー。理想のPTAとは、どんな形なのでしょう?
PTAは地域の力を活性化する可能性も秘めている
●大学教員 遠藤晃弘さん 3児の父。自身も上ノ原小学校、神代中学校を母校とする。両校のPTAで使っているグループ運営アプリ「Hi!(ハイ)」は無料でダウンロード可能。
Interview:実は多くの保護者が、学校へのサポートに好意的
現在、お子さんが通う東京・神代中学校でPTA会長として活動する遠藤さん。PTAとのかかわりは、当時お子さんが通っていた、上ノ原小学校の頃から。 「そもそもわが家も、かかわらなくていいならかかわりたくないというスタンスだったんです。ところが小学校のくじ引きで委員となり、思いがけず副会長までやることになってしまって……さらに子どもが中学校に進学すると、どうしてもなり手がいないということで、今度は中学校のPTA会長も引き受けたという状態です」 小学校の副会長時代に感じたのは、“やらされ感”という呪縛を取り払ってみると、実は「学校をサポートしたい」と思っている人が予想以上に多かったこと。彼らを怯(ひる)ませていたのは、PTAという団体に対するネガティブな先入観。「一度手を貸すといろいろ強制されそう」「忙しいのに、やたら会合に招集されるのでは」……。そこで当時の上ノ原小学校では、すべての活動をエントリー制にすることを決断します。 「同じ学校の保護者でアプリの開発をしている友人がいたので、彼にそのシステムづくりをお願いしました。『今度、学校で○○があります。お手伝いできる方いますか?』と呼びかけると、気軽にエントリーできる仕組みです。皆さん、希望しての活動ですから楽しんでくれるし、言い換えれば希望者がいない役割は、継続の必要性をもう一度見直してみるべきなんですね。このシステムにより、うちの小学校のPTAに関するイメージは大きく変わりました」 会長を務める中学校でも、“希望者による活動”は踏襲。前向きな人々が集まった結果、活動も活発化しています。 「学校と協力して、進路に迷う子どもや保護者に向けたイベントを開催できました。また、役員でない保護者から起立性調節障害に関する映画上映会の提案をいただくなど今までになく会員同士で意見を言いやすい空気が生まれました」