日本人GK初のスペイン挑戦から4カ月。「全部、全然違う」日本女子代表・須藤優理亜が直面した世界の壁|フットサル
11月28日から12月1日にかけて、フットサル日本女子代表候補国内トレーニングキャンプが高円宮記念JFA夢フィールドにて行われた。 【画像】女子Fリーグ第15節ベスト5一覧 2025年11月に開催される、フットサル女子W杯。そこを見据え、2024年7月に日本人GKとして初のスペイン移籍を決断したのが、須藤優理亜だ。 須藤は、FIFA女子フットサルランキング1位のブラジル人選手が多く在籍する、スペインリーグ1部のトレブランカ・メリリャに加入した。しかし開幕から13試合が行われているなかで、出場機会を得られたのは4試合。いずれも第2ピリオドの途中からと、ピッチに立つ時間は限られている。 それでも、代表合宿で見せたシュートへの反応スピードには磨きがかかっていた。「日常の練習の強度が一番高い。毎日が修行」と話した須藤は、世界トップレベルでしのぎを削るなかで、新たなプレースタイルも確立しつつある。 そして日本とは異なり、競技での収入で家族の生活を支える選手がいる環境に飛び込んだことで、自ずとプロとしての自覚を強めている。そんな新天地での経験を通して、一回り成長した姿で代表合宿に合流した須藤に、話を聞いた。
スペインで目指す新たなスタイルの確立
──スペインに移籍していかがですか? スペインは、レベル感が違いますね。ブラジル代表の選手も多いですし、日常の練習が一番強度が高いので、毎日が修行の日々です。 でも、すごくやりがいがあって楽しいです。練習も日常の生活も楽しめています。 ──どんなところで強度を感じますか? シュートスピードやコースが全然違います。今までの自分のプレースタイルで、日本ではゴール前で構えていたら反応ですべて止められていたものが、まったく通用しません。いいコースにシュートが飛ぶと、こちらが反応する前にゴールに到達してしまいます。シュートスピードも早くて間に合いません。 なので、今はプレースタイルを変えて、前に出てゴールに到達する前に捌く形に挑戦しています。どこにポジショニングしたらボールが取れるのかを調整しながらやっています。難しいですが、楽しいです。 ──スペインに移籍して、成長したと感じる部分はありますか? 今はまだ、調整しながら、自分がシュートを止められる位置を模索しているところです。 ただ以前は後ろで止めるスタイルしかできなかったけど、前に出ても後ろで構えても対応できるようにする前後の調整は、少しずつできるようになっているところかなと思います。 ──プロになったことでの自身の変化はありますか? 世界が違うなと感じます。もちろん日本の選手も真剣ですけど、その真剣の種類が違います。 ブラジル人の選手の中には、母国に住んでいる家族の生活費も全部払っている選手もいます。自分が活躍しないと、給料がもらえなくなる。だから家族のために死ぬ気でやっている。そんな選手がいるような環境の中に、今私はいます。 背負っているものが違うので、意識のギャップはどうしても生まれてしまうと思います。なので、プロとしての自覚は意識的にもつようにしていますね。
【関連記事】
- 日本女子代表、中国代表との2連戦に臨む19名を発表!11月28日から国内でトレーニングキャンプへ…3月のポルトガル遠征以来8カ月ぶりの活動
- 日本女子代表、「ハードワーク世界一」を掲げて挑んだ中国との2連戦。多様な組み合わせから大量得点で勝利!
- 日本女子代表、中国相手に3-0の完封勝利!初招集の高橋をはじめ、フレッシュなメンバーが躍動
- 日本女子代表、「ビビらずやれた」イタリア・セリエAで戦うスコアラーが初招集で示した気持ちの強さ(原川菜々子/アウダーチェC5ヴェローナ)
- 日本女子代表、不慣れなフィクソでも安定感を発揮。「どこのポジションも高クオリティで」丸岡のエース・宮本夏奈が見出す、自身の新たな可能性