最終戦のツアー選手権を9位で終えた松山英樹「去年出られなかった分、今年出られて嬉しかった」【コラム】
米男子ツアーのシーズン最終戦、ツアー選手権は世界ランク1位のスコッティ・シェフラーが優勝し、念願のフェデックスカップ年間王者に輝いた。 驚くべきは獲得賞金。最終戦の優勝で2,500万ドル(約36億円)を加算し、年間獲得賞金は実に55億ドル。およそ80億円を8か月で稼いだことになる。 最終戦にポイントランク3位で出場し、年間王者に期待がかかった松山英樹はスコアを伸ばし切れず、勝ったシェフラーに14打差の通算16アンダー9位タイに終わった。 「結果としてはもったいない」と悔やみながらも表情は明るかった。 昨年はケガの影響もあり未勝利で、デビュー以来初めてトップ30入りを逃した。「どうしても勝ちたい」と思ってスタートした今季はタイガー・ウッズがホストを務める2月のシグネチャーイベント、ジェネシス招待で幸先の良い勝利を挙げ、アジア勢最多の通算9勝に到達した。 それだけではない。プレーオフシリーズ初戦のフェデックス・セントジュード選手権で「10年努力してようやく(プレーオフシリーズで)勝てた」と歓喜の通算10勝目。その前にはパリ五輪で銅メダルにも輝き、チームの皆と喜んだ。 プレーオフ2戦目のBMW選手権は初日に好スタートを切りながら腰痛で無念の棄権。そして迎えた現役最多10回目のツアー選手権では最後までエンジンがかからなかったが「去年出られなかったので今年出られて嬉しかった」と爽やかな表情を浮かべた。 「悪いところもあったが、良いところもあったので、来年に向けて痛み(腰痛)の原因を取り除いて(オフの)3か月でしっかり準備を整えたい」とさらなる飛躍を誓った松山。 そのためには「もう少し安定したプレーがしたい。常にトップ10、トップ5に入って(上位争いをして)いけばメジャー(タイトル)も見えてくる」とメジャー2勝目に照準。 26日開幕のプレジデンツカップ(アメリカ対インターナショナルのチーム対抗戦)には世界選抜のエースとして出場することが決まっている。 32歳になり円熟味を増す松山の今後の活躍が楽しみだ。