動き加速する2025年F1ドライバーラインアップ! ペレス残留決定で、次なる注目は角田裕毅の去就とメルセデスの”残り1席”
各チームの現在の状況を解説
全20ある2025年のF1シートのうち、現時点で未定となっているのは9。中でもまず注目を集めるのが、トップチームの中で空いている残りひと枠……つまりルイス・ハミルトンが離脱を決めたメルセデスのひとつだ。 その最有力候補と目されるのが、メルセデスの秘蔵っ子とも言えるアンドレア・キミ・アントネッリ。F4、そしてフォーミュラ・リージョナルで圧倒的な強さを見せ、FIA F3を飛び級して今季いきなりFIA F2への参戦をスタートさせた弱冠17歳の逸材である。 そのキミ・アントネッリがF2で開幕直後から大活躍を見せていたら、メルセデスからのF1デビューは即座に決まっていたことだろう。しかしその期待とは裏腹に、ここまで10レースを戦って、優勝はおろか表彰台も獲得できていない。その状況にメルセデスが起用するのに二の足を踏んでいるだろうことは、容易に想像できる。 そうなった場合、キミ・アントネッリをF1デビューさせるとしても、メルセデスではない別のチームから……ということも十分に考えられる。その場合の有力チームとなるのは、ウイリアムズであろう。ウイリアムズはかつて、ジョージ・ラッセルをF1デビューさせ、メルセデスに送り込んだという実績がある。実はバルテリ・ボッタスも、ウイリアムズでデビューし、その後メルセデスに”昇格”したドライバー……キミ・アントネッリもそのルートをたどる可能性は、十分にあるだろう。チームメイトは既に契約延長を決めているアレクサンダー・アルボンであり、申し分ない。
■フェルスタッペンはレッドブルとの契約を遵守するのか?
ただそうなった場合、メルセデスは2025年に誰を起用するのかということが当然問題になる。そこで気になるのは、マックス・フェルスタッペンの存在だ。 フェルスタッペンは2028年までレッドブルとの契約を結んでいるものの、チーム内の権力闘争が激化していること、そして2026年から使用を開始する自社(レッドブル・パワートレインズ)製のパワーユニットの出来に不安を抱えていることから、契約を早期に終了させ、レッドブルから離脱することを画策していると言われる。実際メルセデスのトト・ウルフ代表は、フェルスタッペンを獲得したい旨を公言しており、あながちないこととも言えない。 この他、サインツJr.やオコンの名も噂としては上がっているが、それほど信憑製が高いものではない。つまりメルセデスとしての選択肢は、非常に限られているように見える。 マクラーレンとフェラーリはすでにふたりのドライバーが決定済み。アストンマーティンもフェルナンド・アロンソの契約延長が決まり、わざわざ発表はされないものの、チームオーナーの息子であるランス・ストロールの残留も既定路線であろう。