<後半勝負・尽誠学園の軌跡>/3 仲間信じて「諦めない」 昨秋県大会、3連続逆転でV /香川
粘り強く戦う“後半勝負”の練習の成果が表れたのは、2019年秋の県大会準々決勝、藤井戦からだった。初回に先制され、その後追い付いたものの、三回に再度リードを許し一進一退の攻防。四回からリリーフとしてマウンドを引き継いだエースの村上侑希斗投手(2年)は、抜群の制球で相手打線に追加点を許さなかった。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 この日は、川崎風汰選手(同)が二回に同点となる適時打を放つなど絶好調。「村上が必死に守ってくれている。今度は俺らの番。みんなで粘って風汰までつなげよう」。迎えた八回、無死一、二塁の好機で川崎選手に打順を回すと、中堅に適時打を放ち再度同点に。菊地柚主将(同)、福井駿選手(同)も続いて計3点を挙げ、逆転勝利した。 翌日の準決勝は、19年夏の県大会の準決勝で大敗した英明との対戦。四回に4点を先取されたが、尽誠ナインにまったく焦りはなかった。六回2死満塁、打席に入った福島武颯士選手(同)が「思い切りバットを振った」という打球は中堅への二塁打となり、1点差まで追い上げた。 そこから試合の流れも変わり、村上投手のピッチングが精度を増し、相手打線をテンポ良く抑えた。すると八回、2死二、三塁から、菊地主将が適時打を放つなど、計4点を挙げて逆転に成功。7―4で宿敵の英明を降し、リベンジを果たした。 続く大手前高松との決勝戦では三回に先制。五回表に逆転を許したものの、その裏すぐに追い付くと、六回に福井選手の適時打で再逆転に成功した。準々決勝から3試合連続の逆転勝利で、14年ぶりとなる秋の県大会優勝をつかみ取った。“後半勝負”という合言葉の下、「絶対に諦めない」と互いを信じ合う選手たち。粘り強い逆転劇は、県大会を勝ち上がった強豪校が出そろう四国大会でも披露された。=つづく