3戦連続ドローも開幕から無敗で上位進出。FC大阪は今季のJ3で台風の目になりそうだ
J2ライセンスも取得の見込み
「我々は守備のところをハイラインにして、昨年より10メートル前で戦うことにトライしている。それが今のところ高い意識でやれていると思います。ただ、クリーンシートと同様に、なかなか得点が奪えていない。 最後の質やペナルティエリアに侵入してシュートに行くところは課題ですし、これからも取り組んでいかないといけない。若いチームなので、成長できる部分もたくさんあると思います」と、大嶽監督はアグレッシブさを前面に押し出した戦いを前向きに評していた。 確かにこの堅守速攻スタイルを突き詰めていけば、上のカテゴリーに近づいていきそうな気配はある。今季J1初昇格のFC町田ゼルビアも、昨季J3優勝でJ2に返り咲いた愛媛FCも「負けない戦い」を重視していた。 やはり堅守をベースにするチームの方がいち早く結果を出せるのは事実。そういう観点で見ても、FC大阪はJ2を狙えるポテンシャルがありそうだ。 加えて言うと、J1・J2クラブから声のかからなかった関西の有望選手が何人か加入していて、選手層も想像以上に厚い。そこも1つのアドバンテージと言っていい。 昨季はJ2ライセンスを取れなかったが、問題視されたU-15チームも活動を開始。今季中にライセンスが認められる見通しで、それもクラブ全体の大きな活力になっているはずだ。 「ただ、(3月13日のルヴァンカップで)いわきFCとやった時に、ハードワークや球際の部分を見せつけられたので、もっと高めていかないとダメだと痛感しました。いわきが僕らのモデルというわけではないけど、近いサッカーではあると思うので、自分たちもやることを突き詰めて、J3を圧倒できるくらいのパフォーマンスを出していかないといけないと思っています」 西村は強調したが、選手たちからもFC大阪のスタイルを迷うことなく突き詰めていこうという気概が感じられる。これはポジティブな要素だ。 目下、6試合を終えて暫定2位につけている彼らからは、「今季J3の台風の目」になりそうな予感も漂っている。勢いに乗るフレッシュな集団の今後の動向が非常に興味深い。 取材・文●元川悦子(フリーライター)