【10代に迫る危険】「同級生がSNSで知り合った男性に会いに…」犯罪に巻き込まれないための防衛術は
読者の高校生から、「友達がSNSで知り合った人に会いにいっていた」という声が寄せられた。しかし、そこには性犯罪などの危険が潜んでいることもある。自分自身はもちろん、大切な人が被害に遭わないためにはどうすればよいのだろうか。(黒澤真紀)
SNS上の知り合いに会いに行って……
読者のアヤさん(仮名、高校1年女子)は、同級生がSNS上で見知らぬ人とつながりをもっていた。使っていたのはチャットアプリだ。 アヤさんの同級生は、チャット上で年上と語る男性とつながりを持ち、会いに行ったという。「その子は会いに行くことを、あまり怖いと感じていなかった印象でした。私や周囲のクラスメートは止めたけれど、聞き入れてくれませんでした」 結果的に同級生は何事もなく戻ってきたが、アヤさんは犯罪やトラブルに巻き込まれないか心配だったという。
性犯罪や誘拐の危険性あり
アヤさんから寄せられたエピソードのように、SNS上の知り合いに会った経験のある人も少なくない。10代のSNS利用に詳しい千葉大学教授の藤川大祐先生に、SNSで知り合った人に会いに行くリスクと、安全な利用法を聞いた。 ―SNSで知り合った人と会うリスクを教えてください。 一番気をつけなければいけないのは性犯罪です。最近は「誘拐・略取(りゃくしゅ)」と呼ばれる、人を連れ去る重大犯罪も増加しています。たとえ合意の上だったとしても、保護者に無断で外泊すると誘拐とみなされる可能性があり、性的な被害に遭うことも考えられます。 ―性的な犯罪の被害者にはどのような特徴がありますか? 被害者の大半は女性ですが、一部には男性の被害者もいます。誰でも被害に遭う可能性があり、一度被害に遭ってしまうと、非常につらい思いをすることになります。特に、虐待を受けている、親子げんかが絶えないなど、家庭で問題を抱えている人は注意が必要です。つらいからとインターネットで知り合った人を頼ってしまうのは非常に危険です。
誰もいない場所で一対一で会うのはNG
―SNS上のやりとりで、安全な人かそうでないかを見分けるコツやポイントはありますか? 不自然に誰もいない場所で会おうとし誘ってきたりする人や、車に乗せようとする人には注意が必要です。一番簡単な防止方法は、二人きりになれる場所で、一対一で会わないことです。SNS上で趣味が共通する人同士で仲良くなって、一緒にライブやイベントに行くパターンも見られますが、ライブ会場など他の人がいる場所で会うのであれば大きな危険はないでしょう。 ―SNSで知り合った人と会うときの注意点は何ですか? 保護者の方にどこで誰と会うかを伝えてから出掛けてください。事前に保護者など、信頼できる大人に報告しておくことで、リスクを最小限に抑えられます。帰りが遅くなったときには、保護者の方が対応してくれるような状況で会うことが必要です。