『心理学のプロ』が常駐する保育園 コミュニケーションが苦手な子ども 泣かずに要求を伝えられるよう「やりたいことを示すまで待つ」作戦で見えた変化
心理学のプロが常駐で働く保育園が京都にあります。彼らが支援の対象とするのは、発達の遅れが気になる子どもたち。 ■【動画で見る】『心理学のプロ』が常駐する保育園 コミュニケーションが苦手な子ども 泣かずに要求を伝えられるよう「やりたいことを示すまで待つ」作戦で見えた変化 “プロの目線”は、そんな子どもをどう変えていくのでしょうか?
■コミュニケーションが苦手な3歳の女の子
京都市伏見区にある「みぎわ保育園」。ここへお母さんとやってきたのは、3歳の「ちあちゃん」です。 体を動かすことが大好きなちあちゃん。いつも保育園に着くと、すぐさま園庭へ! そんなちあちゃんは、他の子どもや先生たちと会話をすることは、ほとんどありません。年齢に比べて発達が遅く、コミュニケーションを取ることが苦手なのです。 【ちあちゃんの母親】「言葉がまだ遅いので、少しずつ出てきてくれたらと思うんですけど」 この保育園に通い始めておよそ1年。ちあちゃんが保育園で楽しく過ごせるよう、支えている人たちがいます。 【公認心理師 藤原朝洋さん】「彼女の特徴が出るコミュニケーション面。どういう風に要求したり、相手に伝えたり、どういう風に意識しているかをメモしていました」 藤原さんは、心理学の専門家である国家資格の公認心理師。 みぎわ保育園では3人の心理士が、発達障害などが疑われる子どもの行動や特徴を分析し、特性に合ったサポートをしています。 【公認心理師 松田采実さん】「ちあちゃん、ご飯行こう」 お昼の時間になり、遊んでいるちあちゃんを促す松田さんも公認心理師です。
■行動を観察して分析 対応法を提案する公認心理師
ちあちゃんの大きな問題。それは給食の時間にも表れます。 大好きなカレーを前に突然、涙を流し、床に寝そべって大泣き。そして、みんなで「いただきます」をするよりも先に食べ始めてしまいました。
公認心理師がこうした行動を観察して気づいた点は、保育士とも共有されます。 【公認心理師 藤原朝洋さん】「待つのが難しい。座るのはできても、その後、何をやっていいか分からない。この後にご飯を食べると思うんだけど、ご飯を食べられる様子もないし、みたいな感じで不穏になっていった気がする。食べられない状況が続くことで、カレーを見て、松田先生を見て、通常よりも分かりやすい形で要求を何とか伝えようというのが出ている」 「欲求は出ているけれど、『わーっと泣いたからカレーがもらえた』と受け取りかねない」 【公認心理師 松田采実さん】「『ぎゃーっ』と泣いたから言うことを聞くのは嫌だなと思うんですよね。でも『ぎゃーっ』となったから仕方ないなという時もあるんですけど…」
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