「ギャップがデカすぎ…!」プライドが高い唯我独尊キャラの「みじめすぎる命乞い」シーン
■みじめすぎる最期が印象的…『DEATH NOTE』夜神月
次は、原作:大場つぐみさん、作画:小畑健さんによる『DEATH NOTE』(集英社)の夜神月である。 月は、デスノートを拾ったのをきっかけに新世界の神になると決意した。自らが犯罪者を裁くことで、「正しい世界」を作ろうとしたのだ。 名前さえ書けばそれだけで人の命を簡単に奪える……。そんな便利アイテムであるデスノートは、月の他人に対する考え方をどんどん変えていく。自分は神だから、それを妨げる人間は殺しても構わない。そんな考えに基づき、犯罪者だろうとそうでなかろうと邪魔な人間を簡単に殺すようになっていくのだ。 しかし、Lの後継者であるニアによって自身の正体を明かされると、月はまさかの悪あがきに出る。隠し持ったデスノートに名前を書き込もうとして、それに失敗すると今度は死神のリュークに全員を殺すよう懇願したのだ。 これにはリュークも呆れてしまい、月の名前をデスノートに書き込んだ。月はこれを受け、「死にたくないふざけるな、止めろ死にたくない」と叫び、かなり無様な姿を晒した。 それでも、あそこまでやりきってくれたからこそ、このシーンは逆に強く印象に残っている。あっさりと罪を認めて降参するより、こういうパターンもアリ?と思ってしまった。
■まさかの親子揃って命乞い!?『ドラゴンボール』フリーザ親子
最後は、鳥山明さんによる『ドラゴンボール』(集英社)から。作中でも屈指の自己中最強キャラといえばフリーザである。ピッコロ大魔王やベジータも自己中ではあるがフリーザにはかなわないだろう。あまりにもスケールが違い過ぎる……。 自らの戦闘力が53万と明かすことで感じられた力の差。そこから変身するとさらに強くなると知ったときには、絶望感しかなかった。そんなフリーザだからこそ、いつでも相手を殺せるという余裕があるのだ。 しかし、悟空が超サイヤ人へと変身して窮地に立たされると、「た…助けてくれええ…!」と命乞いをしていた。これまでの強敵で初めての行為である。しかも、悟空が情けをかけると「オレに殺されるべきなんだ――っ!!!!!」とまさかの逆襲をし、結局倒されることになった。 その後サイボーグ化したフリーザが、父親のコルド大王と共に地球に乗り込んだ際には、トランクスによって瞬殺。この時、コルド大王はトランクスに殺されることを感じ取り「まっ…待てっ!!!!」と命乞いをしていた。 まさかの親子揃って命乞いとは……かなり珍しいパターンにちがいない。 圧倒的な強キャラは、その強さゆえに自分が追い込まれる状況を想定していない。だからこそ、まさかの状況になると思わず命乞いをしてしまうのだろう。 しかし、それで許してもらえるほど甘くないから、過去の所業にふさわしい最期を迎えることになる。まさに因果応報というやつだ。
大山元