なんだこの緊張感! 「動物系の商品は出回っている、それなら…」 SNSで話題〝マタギ〟のガチャ
SNSでも話題になり、販売店舗でも完売が続いているという、ガチャガチャメーカー・タマキューの「マタギ」。でもなぜ、狩猟を生業とする「マタギ」をガチャガチャに? ガチャガチャ評論家のおまつさんが取材しました。 【画像】それぞれ異なる表情、年齢や性格も設定 「原価の高さに眩暈」
狩猟を生業とする「マタギ」
ガチャガチャは他の玩具と違い、「なぜ作ってしまったのか」や「くだらない」と思わせるような、自由度が高い商品が多くあります。 今回は、私が「なぜ作ってしまったのか」という強い気持ちに駆られたガチャガチャを紹介します。それは1月末に発売されたタマキューの「マタギ」です。マタギとは、古来より山深くに分け入ってクマなどの狩猟を生業にしていた人を指します。それをタマキューはガチャガチャにしてしまった。 タマキューと言えば、統括プロデューサーの成田耕祐さんが立ち上げた、「バカじゃないの」や「くだらない」と言われることに誰よりも本気でかつ真剣に取り組むメーカーです。 マタギは、企画・デザインをマルチクリエイティブ会社のザリガニワークス武笠太郎さんと坂本嘉種さんが担当し、原型制作は福元徳宝さんが手掛けました。
開発2年「マタギだ!マタギは面白い」
数ある企画のなかで、マタギの商品化を決定した理由を尋ねると、成田さんは「題材が生半可な知識や興味では向き合えないものですが、ザリガニワークスの武笠さんがほとんどマタギみたいな生活していますし、坂本さんは見た目がマタギっぽいので(笑) 、そのお二人からご提案いただいた企画には信念があると感じました。私としても覚悟して商品化を決めました」。 「ただ、原価の高さに眩暈がしました。今もなお眩暈はしています」と教えてくれました。 成田さんが覚悟を決めたマタギは、タマキュー4周年企画で進められ、開発まで2年以上かけられたガチャガチャです。 武笠さんと坂本さんは毎月タマキューの会議に参加して商品提案しています。そこでは当然売れる商品を考えなくてはいけません。 あらゆる企画のなかで動物系の商品が売れる傾向があり、可愛い動物や日常×動物はコレクション性が高く市場に受け入れられていると分析したそうです。そこで、武笠さんは「動物系の商品の発想を逆転させ、動物を狩る商品を作ったら面白いのではないか。すでに動物系の商品は出回っていることを考えると、動物を狩る人を作り、それをデスクトップに飾れば、そこに急に緊張感が生まれる。動物を狩る人と言えば、当然、マタギだ!マタギは面白い」と話してくれました。