「無観客ならやりたくない」異色のアスリートが語る東京オリンピックに出場する苦悩
「当たり前」のようにハンドボールがある―― そんな未来が来れば理想的です
どの競技にも同じことが言えるが、東京オリンピックは「ゴール」ではない。その先にどんな未来を描けるかが、競技の人気や振興に大きく影響する。ハンドボール界が見据える、オリンピック後の未来予想図とは―― ――東京オリンピック後に日本のハンドボール界は何をする必要がありますか? 僕はそこで結果が出て、ある程度いい流れができたとき、多少なりとも注目されると思うんです。でも、そこで調子に乗らないことが大切ですよね(笑)。そこで大きく出るのではなく、さらに初心に帰って、草の根活動のように、地域密着だったり、細かいことを大切にしないといけない。オリンピックが終われば選手たちはみんな、自分たちのチームに帰ります。そこで講習会でもいいですし地域の活動に積極的に参加するとか、そういう事が必要になる。人気が出ているということは、みんなが注目してくれているおかげなんだよということを忘れないで、ファンの方を大切にしたり、恩返しする。そういう活動をしていくことがスポーツの人気を支えてくれるのかなと思います。 ――日本ハンドボール界の理想の姿を教えてください。 日常に当たり前のようにハンドボールがあるのが理想です。いろんな「当たり前」がありますけど、当たり前のように学校で経験したことがある。当たり前のように好きなチームがある。当たり前のように、みんながハンドボールを知っている。それからプレーヤーとしては当たり前のように毎回オリンピックに出る。当たり前のようにテレビをつけたらハンドボールをやっているとか……。そんな「当たり前」がたくさん生まれるといいなと思います。 (聞き手・文:花田雪) ※この動画記事は、ラブすぽとYahoo! JAPANが共同で制作しました