なぜ夫婦問題の専門家に!?専業主婦から自分の得意を活かして起業家に!
時代の波に乗り苦手なのに「IT起業家」に
BBBの活動を開始してから数年後、日本でもインターネット時代の幕が開けます。大手IT企業の社長に、「君の持っているネットワークをデジタル化しないか?」と言われ、最初は意味がわからなかったそう。「これからインターネットの時代がくるから」と、1996年3月に女性向けウェブサイト「ぷらっとプラネット」を開設。立ち上げて2カ月後には、月26万件ものアクセスが。そこからは、時代の波に乗り、右肩上がりでした。 大手IT企業に勤めていた、SEやプログラマーなどの主婦もいたため、在宅でITの仕事をすることが可能。名だたる大手のインターネット事業部から声がかかってサイトを作ったり、掲示板パトロールなどの仕事を請け負ったりなどもしたそう。 それとともに、当時SOHO(Small Office Home Office)という言葉が流行り始めて、「真由美社長はSOHOの代表だ」と言われだしました。「雑誌でもたくさん紹介され、家で仕事をしたい主婦が集まり、どんどん会社が大きくなった。追い風だった」と三松さんは語ります。 でも、本来自分はITが苦手、パソコンが苦手、当時「添付ファイルもどうやって送るの?」状態。それなのに、講演会では「IT起業家真由美社長」と紹介され、IT起業家としてとらえられ、違和感を覚えるようになっていきました。
夫婦問題の専門家に転身!自分の軸である「ママのお悩み解決」へ
大手通信会社の仕事で新しいシステムの選考委員に選ばれましたが、「これは絶対に使われないだろう」と、三松さんは思いました。「これは売れないと思うから私は嫌です」と言ったら、すごく怒られたのだとか。 「自分が勧めたくないと思う商品でも、社長ならやらなくてはいけない、それは自分には合わない。ITが苦手なのにITばかりだし、会社社長はしんどい」と感じるように。 自分の中に葛藤が生まれ、「私が本当にやりたいことはなんなんだろう?」と考えました。やはりそれは、ママサークルを立ち上げたときにしていた「主婦の悩みを解決すること」だと気づくことに。「自分がすごく寂しくて、自分みたいな主婦を集めて、やっとみんなが社会に自分の居場所ができたと喜んでくれた。やっぱり主婦の悩みを解決することがやりたい。根本に立ち返るとITの仕事は私じゃない」と思ったそう。 「主婦の悩みってなんだろう?」と、まわりのママたちに悩みを聞いてみたら、いろいろあっても最後は夫婦仲にたどり着くと気づきました。じつは、当時の三松さんも夫婦仲に悩んでいたのだとか。自分を含め、だれもが悩んでいる夫婦仲を改善することができないか? と考えるように。 そのときに、夫婦仲がいいか悪いかをはかるモノサシがないことに気づきます。まわりから仲がいいと言われていても、じつは仮面夫婦の場合があることもあり、「夫婦って見た目ほど仲が良くない」と、当時はすごく感じていたそう。 じゃあ、夫婦仲をセックスの回数で計ろう!と、そのモノサシを「セックスの頻度」としました。元々は夫婦仲の改善が目的でしたが、そこから「セックスレス」を意識し始めました。そして会社を譲り、主婦1,609名に調査をかけて『となりの寝室』という本を執筆。「あの本はセックスを取り扱う本だから、会社の社長をしていたら、できなかったと思います」と、三松さんは語ります。