女性にクールビズはいらない
プライベートゾーンに“介入”はおせっかい
体感温度差だけでなく、化粧など他者に踏み込んでほしくはないプライベートゾーンへ“介入”した提案なども、必要性を感じなかった理由の一つです。 女性版クールビスのキーワードは「快適、健康、美」。女性ならではのメイクの見直しや、ヘアスタイル、服装、色、匂い、ライフスタイルそのものに「涼しさ」を感じられるポイントを取り入れるなどかなり細かい点にまで及んでいます。 そのためか、31歳の女性会社員は、女性のクールビズに対して「正直なんとも思わないです。なんとも思わないっていうか、どうでもいい(笑)。女性のオフィスファッションって割と自由だから、ジャケットの下にノースリーブとかも全然ありだし、これ以上クールにしようがないっていうか。香りとか化粧が涼しさに関係するとも思えないです」と話します。 また、社会人一年目で営業を担当する女性は「女性は男性のようにクールビズ=半そでシャツ、ノーネクタイみたいな定番スタイルがない分、個性が出しやすいと思う。その反面、TPOをきちんと考えないと場違いな格好にもなりかねないので難しい。特に私がいる営業部では女性が少ないので参考にしにくいです」と否定的でした。 今回の女性版は、制汗剤使用の推奨に対して一部の市民団体からは疑問の声が上がるなど、出鼻をくじかれてしまい、その後も不調でした。細かく規定化するよりも、自由裁量に任せたうえで、「露出しすぎない」、「カジュアルすぎない」といった、やりすぎ防止を提案するなどのほうが現実的であるように思います。「スーツ、ネクタイ」から解放された男性に対し、比較的軽装だった女性にとっては、クールビズ自体、必要なかったのかもしれません。 <取材・文 中央大学3年・原口友希、同3年・森穂乃花、東京女子大学3年・田中美穂、フェリス女学院大学2年・工藤沙弥夏、早稲田大学2年・登山くるみ=この記事は、Girlpedia((株)チーム・エムツー)とTHE PAGEがジャーナリストを志望する学生への支援活動の一環として作成したものです>