就職バブル期の再来か? 今年の就活はホントに楽勝?
1.バブル期の就活とどこか似ている今年の就活戦線 今年の就活戦線は売り手優位市場として、バブル期就活戦線の再来か、などと報道されています。景気回復や人手不足の影響で、実際、企業の採用意欲は非常に高まっています。株式会社ディスコの最新調査(5月発表)では、36.3%の企業が今春実績よりも採用数を増やすと回答し、大手企業の45.4%をはじめ中堅・中小企業も総じて採用数を増やしています。 就活生にとってはチャンスの多い年と言え、16卒学生の6月1日時点の内定率(内々定含む)は35%(日経就職ナビ・モニター調査)。すでに、内定の確約を得た学生に話を聞くと「意外とあっけなく内定が出て驚いた」「厳しい感じがしない。むしろ企業のほうが焦っているようだ」といった声が聞こえます。企業調査では、中堅中小企業を中心に、「6月が内定出しのピーク」との結果が出ていたので、内定率は6月から7月にかけてさらに上昇していく気配です。 今年から採用活動のスケジュールが変わったことで、学生の活動パターンも変わってきました。昨年までは、4月から大手の選考が始まり、一息ついた5、6月から中堅、中小の選考が始まっていました。今年はというと、8月から始まる大手の選考前に、中堅、中小企業の選考を受け、できれば内定を持った上で、指針を守る大手企業の選考に臨む、というのが就活巧者のスタイルのようです。一方、内定は出したけれど実際に入社してくれるかわからない状況に対して企業は、「オワハラ(就活終われハラスメント)」と呼ばれるプレッシャーを学生に与え、一部問題化されています。また今後、8月1日の選考解禁日に他社を受けられないよう、1日(土)ないしは3日(月)に、いわゆる「拘束」を掛けるのでは…などの憶測も飛び交っています。 夏の採用解禁前に、大手企業より先に中小企業が採用活動を行って内定を出し、時には接待。辞退しよう素振りをみせでもしたら圧力がかかる…。ある年代の方はよくご存じの光景ではないでしょうか。そうです、今のように学生優位の「売り手市場」だった、25年前のバブル期の就活も、実は今年と同じようなスケジュールで行われていました。