なぜホンダNS400Rは、マニアックな人気を誇るのか? かつては62万9000円で買えたレーサーレプリカに迫る!
1970年~80年代に発売された国産旧車が、“絶版車”と呼ばれ人気だ。当時憧れていた世代はもちろんのこと、今どきのヤングライダーたちも“カッコいい!”と注目する絶版旧車の魅力を、俳優の飯島寛騎と元バイク雑誌編集長・カワニシが語り合う。今回はあの人気バイクマンガに登場したマシンとしてマニアックな人気を誇る、かなりレアなモデル、ホンダ「NS400R」に注目。 【写真を見る】極上のNS400Rはこちら(12枚)
WGP500チャンピオンマシン直系のレーサーレプリカ
河西啓介(以下、カワニシ):飯島寛騎くん、はじめまして。寛騎くんは2016~17年に放映された『仮面ライダーエグゼイド』の主役として俳優デビューしたんですよね。役者としてのスタートが“ライダー”ですから、バイクとは縁がありそうですね。 飯島寛騎(以下、飯島):子どもの頃から、バイクは大好きだったんです。父がカワサキ、ホンダ、ヤマハ、スズキと、国産全メーカーのモデルを乗り継ぐようなバイク好きで、影響は受けましたね。18歳で普通二輪免許を取って、今は大型免許も持っています。 カワニシ:なんと、カワサキZ500FXを所有しているそうですね。まさに絶版旧車として人気のモデル。20代の若さでFXを選ぶなんて、50代の僕としては嬉しいなぁ。 飯島:やはり父の影響かもしれないけど、1970、80年代のバイクが好きなんですよ。“バイクらしい”というか、堂々とした感じが。 カワニシ:今回はそんな絶版旧車に乗ったり、見たりして語ろうという企画です。やって来たのは1970~90年代の絶版車を幅広く展示しているショップとしては日本最大級の「バイク王つくば絶版車館」。数百台におよぶ在庫車の中で、乗らせてもらうのはホンダNS400R です。 飯島:おお、いわゆる“レーサーレプリカ”ですね。僕、こういうタイプに乗るのは初めてです。楽しみだなあ。 カワニシ:NSR400Rは、1983~84年の二輪ロードレース世界選手権500ccクラスで、2年連続メーカーチャンピオンを獲得したホンダのレーシングマシン「NS500」の技術を継承して1984年に登場。スリムでコンパクトな水冷90度V型3気筒エンジンを搭載し、パワフルな4気筒エンジンを統制するヤマハRZV500やスズキRG400/500Γに対して運動性で勝負するというコンセプトは、ワークスNSRと同様のものでした。 飯島:僕、じつは2ストロークのバイクに乗るのも初めてで……。4ストローク・エンジンとはかなり違うんですよね? カワニシ:低回転域ではトルクが細く、回転を上げて「パワーバンド」と言われるゾーンに入るとパワーとトルクがドーンと二次曲線的に立ち上がる、というのが2ストの特徴。だから上手く走らせるにはちょっと慣れが必要なのですが、NS400Rの場合は当時の2スト・レプリカのなかでは比較的マイルドなキャラクターなので、慎重に走らせれば大丈夫ですよ。早速乗ってみましょう。