スカローニもデ・ラ・フエンテも成功した イングランド代表に有名監督を連れてくる必要はあるのか
カースリーは良い選択かもしれない
9月にネーションズリーグのアイルランド代表戦、フィンランド代表戦を控えるイングランド代表は、U-21代表を率いるリー・カースリーを暫定監督として試合に臨むようだ。 トーマス・トゥヘルからペップ・グアルディオラまで様々な名前が取りざたされたが、このままカースリーが指揮官に収まることになれば、おそらくもっとも地味な選択になると言ってよいかもしれない。しかし、これは大胆かつ賢明な選択だと『Daily Mail』のコラムでオリバー・ホルト氏は綴った。 かつてイングランドはファビオ・カペッロというクラブシーンで結果を残した有名監督を連れてきたことがあったが、結果はご存知のとおり、W杯南アフリカ大会ではベスト16で姿を消すなどガレス・サウスゲイト前監督の足元にも及ばないようなものだった。しかもウェイン・ルーニーやスティーブン・ジェラードなど「黄金世代」と呼ばれたメンバーを率いてほとんど結果を出せなかったのだ。 カースリーは知名度こそないが、多くの選手たちをアンダー世代の代表で指導した実績があり、しかも2023年のU-21EUROをぶっちぎり無失点で優勝するという結果も出した指揮官だ。 近年は他国でも、アンダー世代の指導やアシスタントとしてチームに在籍した人物を昇格させることで結果を出すケースが増えている。アルゼンチン代表をカタールW杯優勝、およびコパ・アメリカ2連覇に導いたリオネル・スカローニは2018年にホルヘ・サンパオリのアシスタントだった。EURO2024でイングランドを倒し優勝したスペイン代表のルイス・デ・ラ・フエンテはスペインのアンダー世代の指導を長く行ってきた人物だ。代表チームにとって必要なのは監督のネームバリューではないのだ。 カースリーの起用もそのようなテンプレートにのっとっているように思われる。9月の結果次第で判断されるのだろうが、現在のイングランド代表にはカースリーが指導してきた選手も多くおり、このまま正式に監督に就任するのは思いの外良い判断なのかもしれない。
構成/ザ・ワールド編集部