金子隼也&野村康太、『パーフェクトプロポーズ』を通して生まれたお互いの信頼関係を語る
累計発行部数25万部を超える鶴亀まよによる同名BLマンガを実写ドラマ化した『パーフェクトプロポーズ』の再編集版となる映画『パーフェクトプロポーズDream Edition』がTOHOシネマズ池袋ほかにて公開された。 【写真を見る】『パーフェクトプロポーズ』に出演する金子隼也と野村康太 同作はパワハラ上司にプレッシャーをかけられながら仕事に追われ、眠れない毎日を送るサラリーマンの渡浩国が、中学生の頃に仲良しだった小学生の深谷甲斐と偶然出会い、同居生活をスタートさせるラブストーリー。 今回は映画の公開に合わせて、渡浩国役の金子隼也と深谷甲斐役の野村康太にインタビューを行い、お気に入りのシーンやお互いの印象を語ってもらった。 ――なかなかBL作品を見る機会がないのですが、お二人の演技もあってすごく爽やかに見ることができました。作品のストーリーについてはどのように感じましたか? 金子「初めて原作を読んだ時には綺麗で美しい作品だなと感じたので、BLドラマと意識するのではなく、いつもの作品と変わらずに向き合うことを心がけました」 野村「僕も隼也くんと一緒でいつも通り役作りをしようと心がけました。恋愛の相手が異性ではなく同性だというだけで何か特別な準備はしませんでした。でも、原作があったので原作の世界観を壊さないようキャラクターの性格を理解しながら挑みました」 ――今年配信されたドラマは反響もあったかと思います 金子「ありがたいなと思いましたし、想像以上にたくさんの方に届けられたのかなと思うと挑戦してよかったなって。そうした声がたくさんあったからこそ映画に繋がったのかなと思うので、本当に感謝しかないですね」 野村「いまだに多くの方から『パーフェクトプロポーズ』で知りましたというファンレターが届くんです。あと、SNSで切り抜き動画が流れてきたり、たくさんコメントをいただけたり、すごく熱いファンの方が多いなと感じています。目に見えて反響を感じますし、街中でも声かけられるようになったんですよ。そういう一つ一つのことがすごく嬉しいですね」 ――BLとなると女性ファンがどうしても多くなると思うのですが、男性にも見てほしい作品だなと感じました 金子「そうですね。本当にもっともっと広がって、たくさんの方に見ていただけたら嬉しいなと思います」 野村「公開記念舞台挨拶でも結構男性の方がいたんですよ。『見てくれてるんだ!』と思って嬉しくなりました」 金子「女性からはもちろんなのですが、同性から好かれるって嬉しいよね。誰に見てほしいというこだわりはないのですが、ありがたいことだなと思います」 ――お二人の信頼関係がないとできないようなシーンも多かったと思うのですが、どのようにコミュニケーションを取って挑みましたか? 金子「撮影に関しての話はほとんどしてないんです。ずっと本当にプライベート話とか他愛もない話、例えば『ラーメン何が好き?』みたいな感じでしたね。何も言わないけど、お互いに信頼関係を築けていたからこそ、自然な演技が生まれたのかなと思います」 野村「お芝居に関しても一切こうしようああしようと話すことなく、お互いその場で感じたことを大切にしていましたよね」 金子「そうですね。作品によっては共演者の方に『ここどうしたらいいでしょう』と聞いていますが、基本的には監督と相談することはあっても、共演者とガッツリコミュニケーションをとるタイプではないかもしれないです」 野村「僕は緊張するタイプなので、仲良くなりたいなと思いますね(笑)。撮影の合間とかになると、年が近い方だったら自分から話しかけたりするようにしています」 ――今回は金子さんとはすぐ打ち解けられたのでしょうか? 野村「早い方だと思いますね」 金子「そうだね。何回か本読みを重ねていたので、撮影のときには仲良くなった状態で入れました」 ――今作で初共演となったお互いの印象を教えてください 金子 「すごく人懐っこいなと思いました。雰囲気が柔らかいので一緒にいて楽なんです。撮影中もずっと隣に座っていたんですけど、無言の時間が続いても特に気まずくなることもなく過ごせましたし、それは野村くんの空気感のおかげだなって」 野村「最初は静かで落ち着いてる人なのかなと思っていたら、結構おちゃめな部分があったり、意外と明るい人だったので驚きました。撮影中もたくさん話しかけてくれました」 ――撮影終わってからもその関係性は続いているんですか? 野村「ご飯に1回行きました。その後も何回か出かける予定を立てようとはしたんですけど、なかなかお互いのスケジュールが合わず...。今でも連絡は取っていますね」 ――普段はどちらから連絡するんですか? 金子「僕です(笑)。ふと何やってんだろうなって思う時があるんですよ。そういう時に自分から送っちゃいますね。僕は年下の方と共演することが少ないので、野村くんは唯一無二な存在です」 ――劇中で特に印象に残っているシーンはありますか? 金子「『え、そのシーン?』と思われる方が多いと思うんですけど、会社にいる時に甲斐から生姜焼きを食べている動画が送られてくるシーンです。会社のシーンは2日間ぐらいで全て撮ったんですけど、その2日間は甲斐と会わなかったので、『今日も野村くんいないんだ...』という寂しさがありましたね」 野村「料理のシーンは特に印象に残っています。普段、料理は全然しないのでどうやったら上手に見せられるかを意識して作ったのですが、なかなか思うようにいかず苦戦しながらやっていました」 ――料理のシーンがどれも美味しそうでしたよね。金子さんは実際に食事されてみていかがでしたか? 金子「美味しかったです。撮影中はお昼ご飯を用意してくださるんですけど、野村くんが作る料理があまりにも美味しくてつい食べすぎちゃって(笑)」 野村「生姜焼きは僕も食べたんですけど、本当に美味しかったです」 ――改めて、本作はお二人にとってどのような作品になりましたか? 金子「僕にとって初めての主演作で貴重な経験をさせていただけましたし、とても勉強になる現場でした。撮影中は大変なこともたくさんありましたが、それよりもやってよかったなという気持ちが大きいです」 野村「僕はちょうどデビューして1年半ぐらいのタイミングで撮影だったですが、それまでは演技というものがどういうものなのかあまり分かっていなかったのが『パーフェクトプロポーズ』のおかげで演技への向き合い方が変わったので、俳優として成長できた作品になりました」 取材・文=川崎龍也
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