子どもを「勉強嫌い」にする親のNG行動、こんなことをやるのは愚の骨頂!
受験学習法・幼児教育のプロである和田秀樹さんは、幼児教育でもっとも大事な点は、子どもにどう向き合うかという親の意識だと言います。和田さんの著書『5歳の壁 語彙力で手に入れる、一生ものの思考力』(小学館)から子どもへのNGと子どもを勉強好きにする方法を抜粋して紹介します。 【この記事の画像を見る】 ● 「できない」ことより 「できた」ことに注目する 幼児教育でもっとも大事な点は、子どもにどう向き合うかという親の意識です。 教育熱心な親は、子どもが問題を解けなかったり平仮名を書けなかったりすると、カッとして怒ってしまうことがあります。しかし、子どもができないからといって親が感情的に怒ると、後々まで子どもの心理状態に悪い影響を及ぼしますからよくありません。 この時期にもっとも大事なことは、子どもにポジティブな思い込みをつくり、勉強好きにしてしまうことですから、子どもが将来にわたって意欲的になれるかどうかは、この時期からの親の接し方が鍵になってきます。 たとえば平仮名を覚え始めた時に子どもが5つの字しか書けなくても、「5つしか書けないの?」ではなく、「5つも書けたんだ。すごいね!」と言ってあげられるかどうかが大きな分かれ道です。 子どもがやった結果を見て「これしかできていないの?」と子どもの「できない」ことを気にして怒る親と、「こんなにできたんだね」と子どもの「できた」ことに注目して認める親とでは、どちらが子どものやる気が出るでしょうか? 考えてみれば、大人でも外国語を覚える時に「5つしか単語を書けなかったの?」と言われたら情けなくなり、自分には向いていないと思ってしまうかもしれません。
親から見れば物足りなく思えたとしても、子どもにしてみれば、一つも書けなかった状態から五つも字が書けるようになったのです。子どもが一生懸命やったからこそ、ここまで到達できたのだと、その努力を讃(たた)えてあげましょう。 また、以前と比べて読み書きなどができるようになっていたら、「今週はここまでできたね。どんどんできるようになっているね」と子どもの進捗具合を認めてあげましょう。 ● 勉強と不快情報が 結びついた子どもは 子どもに限らず、多くの人は誰かから認められ、褒められることで意欲が上がります。 小さな子どもにとっては特に、頑張って字が書けるようになったらお母さんが喜んでくれた、お父さんが自分を認めてくれたということが、嬉しい気持ち(快情動)につながり、勉強することが好きになっていきます。そして親をもっと喜ばせたいと思って、さらに頑張るようになります。この時期の勉強というのは意外にも子どもにとって辛いものとは限らず、「快体験」につながることも多いのです。 しかし、子どもができないからといって親が感情的に怒ったり焦ったりすると、勉強と不快情報が結びついてしまい、子どもは勉強嫌いや勉強が苦手になってしまいます。ですから、ぜひ子どもの頑張りを認めて、どんどん褒めて伸ばしてあげてください。 そのためには、日頃から子どもをよく観察して、子どもができるようになったこと、頑張っていることを探してあげることが大事です。 別に、読み書きや計算ができなくてもいいのです。 「今日は、言葉を1つ覚えられたね」 「そんな難しい言葉を使えるなんて、大人っぽいね」 「お話をよく聞けたね」 「今日は2冊も本を読んだね」 「わかりやすくお話しできたね」 「自分から字を書こうとするなんて、すごいね」 どんなことでもいいから、子どもが頑張っているところ、努力しているところ、前よりもできるようになったところに注目して褒めることです。 それによって子どもが自信を持てるようになれば、学ぶことが楽しくなり、自分からいろいろなことに挑戦してみようと思うようになるはずです。