【K-1】“激闘王”鈴木勇人「稲垣選手は新婚なので、気合いが入っているかと思います」との言葉に「実は自分、離婚したばかりなんです(苦笑)」
2024年9月29日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館『K-1 WORLD MAX 2024』の8名参加ワンデイトーナメント「第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント」1回戦で、“ルーマニアの死神”イオヌット・ポパと対戦する第7代Krushスーパー・ライト級王者の鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス)が、優勝へ向けての意気込みを語った。 【写真】鈴木の得意技といえば左ミドルキック 鈴木は昨年7月のK-1でデンサヤーム・ウィラサクレックを左ストレートで一撃KO。9月にK-1でモハメド・イスラムから判定勝利。12月は豊樹からKO勝ちを収め、24年3月に卜部功也と激闘を繰り広げて判定勝利を飾った。第7代Krushスーパー・ライト級王座に続き、K-1スーパー・ライト級のタイトル獲得を狙う。 ポパはFIGHT CLUBBING ライトウェルター級(-64.5kg)王者で、24年6月にオドリス・ラムジと対戦して、ISKAインターコンチネルタル・ライトウェルター級(-65kg)王座を獲得して2冠王に輝いた。ファイトスタイルは、左右どちらでもできるスイッチで的確な左ミドルキックと打ち落とすローキックも持っている。 ■本当は一撃で倒したいんですけどね ――スーパー・ライト級王座決定トーナメントの組み合わせが決まりました。一回戦の相手は、ルーマニアの強豪イオヌット・ポパ選手です。 「一回戦目の相手は、さすがにタフで手強そうだなと思いました。試合によっていろいろな戦い方をしていて、構えを左右にスイッチをする器用なイメージがありますね」 ――やりにくい相手でしょうか? 「それはありますね。左右にスイッチする器用なタイプの選手はバリエーションが豊富なので、攻略の糸口が掴みにくいです。落としてのローキックとかも威力がありそうですし、なかなか厄介な相手です。でも自分は、いつも対戦相手を強く見る傾向があります」 ――それは過去に軽く見て痛い目にあったとか。 「いえ、毎回、対戦相手の映像を見ると凄く強く感じます。勝っている試合映像は、その選手の戦い方を通しているから結果を出しているわけです。そうなると、生き生きとして戦いやすそうにしているわけですから、当然強く思えます。ただ、そのテクニックは自分と向き合った時に出せるのかは別の問題ですけど」 ――相手を強いイメージで持つことは、練習に影響がありますか? 「やはり相手が弱いとモチベーションが上がり切らないこともありますし、逆に強い選手になるとこっちも身構えることになります。強いと気持ちが入って、より質が高まります」 ――過去対戦してきた相手と比較すると、いかがでしょうか。 「正直、よく分からないです。ルーマニアの選手と戦うのは初めてですし、誰か日本人と対戦していれば比較ができるんですけど未知ですよね。外国人同士の試合は、パワーがどのくらいあるのか分からないので、ファーストコンタクトで初めて実力が分かるでしょう。それまでは強く見積もっておけば、それを越えることはまずないです」 ――相手の研究はする方ですか? 「相手の試合映像は見ますが、自分を高めることが重要なので、ガッチリ対策を立てることはしないですね。自分の戦い方を押し通して、相手の良さを消すことを考えています」 ――それが激闘につながっていると。 「本当は一撃で倒したいんですけどね。結果的に毎回激闘になるんですけど、試合が楽しくなっちゃうんですよね(笑)」 ――それは(笑)。一回戦を勝つと準決勝は誰になると思いますか? 「誰がいますか?」 ――知らないですか? 「すみません、ダメですね、それでは(笑)」 ――ムエタイのヨードクンポン選手とカン・ピナール選手が戦います。 「あー、はいはい。ヨードクーポンの映像は見ましたよ。蹴りがうまい選手ですよね」 ――たしかに蹴りはうまいですが、GLORYでも試合をしていて左フックでKOしているパンチの打ち合いもうまい、どちらかというと激闘型の選手です。MAXムエタイのチャンピオンでもありますので、かなりの強豪です。 「マジですか?映像をちゃんと見ないと(笑)!」 ――ちなみに野杁正明選手の対戦候補に挙がっていて、コロナ禍で中止になったことがありました。相手のカン・ピナール選手は、与座優貴選手がオランダ修行をした際に強いと認めたマイクスジムの超新星です。 「与座選手はスパーリングをしているんですか?」 ――スパーリングをして、その強さに驚いていました。ただここは、ヨードクーポン選手とピナール選手の潰し合いになりそうです。 「そうなんですね。後で研究しておきます(笑)」 ――そうなると準決勝、決勝も誰が上がってくるかは予想していないですよね。 「稲垣選手の相手が強いとは思いました…。ちなみに自分は何試合目なんですか?」 ――もう3日くらい前に発表になっていますよ(取材した日は9月10日)!鈴木選手は、第1試合の赤コーナーです。 「え、マジっすか。第1試合とかいいですね!」 ――しかもヨードクーポン選手とカン・ピナール選手が、潰し合うかもしれないラッキーゾーンに入っています。 「いいっすね。気持ち上がってくるなー」 ――稲垣選手は、決勝には鈴木選手かピナール選手が上がってくると予想していましたが、鈴木選手はいかがでしょうか? 「自分も稲垣選手が決勝へ上がってくると思っています。これは願望も入っているんですけど、どのくらい強いのか手を合わせてみたいですね」 ――稲垣選手は新婚なので、気合いが入っているかと思います。 「実は自分は、離婚したばかりなんです(苦笑)。でも円満というか、自分のやりたいことがこれなので、その生き方を貫こうと思っています」 ――新婚と離婚。対戦相手を徹底的に研究する稲垣選手と、あまりしない鈴木選手。テクニシャンと激闘タイプ。両極端の2人の決勝が実現したら、面白いことになりそうです。 「自分は3回勝たなければいけないというイメージではなく、1試合ずつと考えています。まずは目の前の試合に勝つ。そうすれば、3試合を勝てると思っています」 ――先のことではなく、目の前の試合に集中すると。 「はい、そう考えています」 ――それでも激闘はしないと。 「さすがに3試合で激闘は無理ですよ。可能ならば、すべての技で倒せるように用意しています。でも、楽しくなったら行っちゃうかもしれませんけどね(笑)」
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