14歳から本場ヨーロッパを転戦。女性初のフォーミュラカーレーサー、野田Jujuの急成長を支えた家族の絆
F1への挑戦「人生をかけて応援したい」
――今年から参戦しているスーパーフォーミュラでは、これまで以上にさまざまな期待や注目の中での戦いとなりますが、小さい頃から目標として掲げてこられた女性初のF1レーサーへと一歩ずつ近づいていますね。英樹さんも、同じ夢を描いているのでしょうか? 野田:私は何も夢を描いてはいないのですが、本人がその夢を持って目標に向かって頑張っているので、そばでできる限りのサポートをしていきたいですね。もちろん、「これはあまりにも無謀だな」とか、これは「絶対に不可能だろう」と思ったらサポートはしないですし、厳しいモータースポーツの世界では、いくら夢を持ってもできることとできないことがあると思っています。でも、それに向かって妥協せずに努力している姿を側で見ていると、本当にやれる可能性を持っているな、と思えてくるんですよ。 だからこそ、応援をやめる理由が見当たらないし、できる限りの応援を、自分も人生をかけてやろうと思っています。今、世界中の女性の中でも一番F1に近いカテゴリーにいて、最もF1に近いマシンに現実に乗ることができているので、今の調子でやっていけばチャンスは十分あるだろうなと思います。 <了>
[PROFILE] Juju/野田樹潤(のだ・じゅじゅ) 2006年2月2日生まれ、東京都出身。フォーミュラカーレーサー。F1レーサーだった父・英樹に憧れ、3歳でKIDSカートデビューし、勝利。5歳でプロを目指し、30cc/40ccダブルチャンピオンに輝く。9歳の時にFIA認定フォーミュラ4(F4)のドライバーとなり、日本では最年少でスポンサー契約、11歳の時に国際クラスFIA-F4マシンでU-17大会に出場。14歳だった2020年からデンマークF4に参戦し、デビュー戦でポールトゥウィン。その後2022年にWシリーズに参戦。2023年、F1の登竜門といわれるユーロフォーミュラオープン25年の歴史で初の女性での優勝。同年ZinoxF2000(旧イタリアF3)では59年の歴史で史上初の年間女性チャンピオンを飾った。2024年、最年少かつ日本人女性初でアジア最高峰シリーズ「スーパーフォーミュラ」デビューを果たした。 [PROFILE] 野田英樹(のだ・ひでき) 1969年3月7日生まれ、大阪府出身。野田樹潤の父であり、NODAレーシング監督。13歳の頃からカートレースに出場。20歳で渡英、イギリスF3、国際F3000を経て25歳でF1にデビューし、国内トップレース他、インディ・ライツ、ル・マン24時間レースに挑戦した。2010年のル・マン24時間レースを最後に現役を引退した後、「NODAレーシングアカデミー高等学校」を開校。2020年からはヨーロッパでのレース活動に帯同。今季はTGM Grand Prixのドライビングアドバイザーとして、樹潤のスーパーフォーミュラでの挑戦を支える。
インタビュー・構成=松原渓[REAL SPORTS編集部]