「4浪建築学科合格」でも、彼が語る“努力の虚しさ”。学校でのいじめや親との関係に悩んだ日々。
「中学の同級生が390人くらいいた中で、150~200番くらいだったと思います。国語や理科は得意だったのですが、中学に入ってから始めた英語はできるようになりませんでした」 このときすでに、親の意向もあり、将来の目標は医者・建築士のいずれかに絞られていたそうです。 「父親からは当時、『どんな仕事に就いてもいいが、手に職が前提だ。医者、建築士、ほか国家資格系の安定している、身分の高い仕事に必要な大学であれば費用を出す』と言われていました」
そう言われて育った記憶もあり、中学生のときには建築士になろうと思っていた安藤さんは、学校が終わってから、毎日睡眠時間を削って5~6時間の勉強を続けました。 しかし、中学2年生から高校受験の勉強を始めても一向に伸びず、中学3年生の中ごろには、模試の偏差値が50から45まで落ちて焦ったそうです。 幸い、通っていた個人塾の先生にお願いして、家でつきっきりで勉強を見てもらったこともあって、なんとか偏差値49程度の高校に合格できました。
高校に入ってからの安藤さんの生活は「中学までよりはマシだった」と語る一方で、またしても理不尽な目に遭う日々を送ります。 「高校1年生の最初に研修旅行と称して宿泊施設に行くのですが、そこで軍隊の真似事をさせられました。行進の練習や山登りをさせられたり、意味もなく腕立て伏せをやらされたりしました。敬語がない、姿勢が悪い、睨んだなどの理由で蹴り飛ばされたり怒鳴られたりしました。 入った剣道部でも、シャワーを浴びている私に氷水を浴びせたり、説教後『目をそらした』と防具なしで顔面に竹刀を打ち込まれたり、失神させる『気絶ごっこ』をさせられ、気絶した後に運動着を脱がされて下半身の写真を撮られたりすることもありました」
そうした経緯で部活を辞めますが、それからも、剣道部の上級生に見つかったら集団暴行に遭うために命の危険を感じ、3年進級時まで上級生から隠れ続ける生活を送りました。 ■大学受験で挽回したいと強く想う そうしたなかでも、安藤さんは450人ほどいる同級生の中で、100番前後の成績を維持していました。安藤さんは高校の環境が嫌だったので、絶対にいい大学に行きたいと思っていたそうです。 「1年生のときは、ただ机に向かってノートを広げて字を書いているだけで、『勉強なんかしてんじゃねぇ』と同級生から足が飛んできました。同級生はこんな高校に入ってまで大学を目指す自分を笑い、諦めろと言っていたのですが、2年生以降は私が理系コースに進級してコースが別れたため、そうした人たちと距離が取れたので勉強を邪魔されなくなりました。