苦しんだ感覚のズレ「納得できた日ない」「応援、頼もしい」 DeNA宮崎敏郎内野手手記
プロ野球のSMBC日本シリーズ2024は3日、DeNAがソフトバンクに4勝2敗で26年ぶり3度目の日本一を達成した。長くチームの中軸として活躍している宮崎敏郎内野手(35)が産経新聞に手記を寄せた。 ◇ 頼もしい応援の中で試合をさせてもらった。日本で一番最後まで野球をやれたのも、2球団だけ。いい終わり方ができてよかった。 チームの変化を感じたのは8月終盤。大事なところで勝ち切れないという課題に対して、キャプテンの牧が「ここ大事だよ」とずっと言い続けてきたことが浸透していったように思う。何をすべきかを一人一人が考えて、毎日試合に向かっていった結果が、ここに繋がったと思う。 自分に関していえば、納得して送れた日は一日もなかった。例年ならシーズン前の1、2月に「これがあれば1年間乗り越えられる」というものを作れていたのに、それが全ておじゃんになった感覚。作り直せない、戻せないまま最後まで来てしまったなと。 12月で36歳。体の変化はもちろんある。ただ、それだけじゃない感覚の変化に引き寄せられてしまった自分がいた。頭で考えたことが体で表現できなくなる、その差が激しくなっているというか。いつも練習をサポートしてくれる打撃投手の三橋(直樹)さんと話をしながら、なんとか迷惑かけないように、チームの勝利に貢献できたらいいなという思いでやってきた。 出ていった選手もたくさん見てきたけど、それぞれの人生。何かしらの理由があったと思う。フリーエージェント(FA)権を取得した2021年オフに自分が残留を決めたのは「ベイスターズで優勝したい」と思ったから。育ててもらったし、球団から6年契約を提示してもらい「求められている」と強く感じたことが一番の理由だった。 もう一つ大きかったのはファンの存在。こんなに熱いファン、たぶんいないんじゃないかな。暑い日も雨の日も最後まで応援してくれる姿が本当に心強くて。喜びを分かち合えることが本当にうれしい。 リーグ優勝できていないのは事実。ただ、自分たちに足りない部分はたくさん見つかった。まだまだこれからだと思う。同世代の選手も減って寂しさはあるけど、残りの野球人生を目いっぱいやりぬきたい。(DeNA内野手)