対戦が決まり健闘を誓う神村学園の川下晃汰主将（左）と作新学院の小森一誠主将＝大阪市北区の毎日新聞大阪本社オーバルホールで2024年3月8日、大西岳彦撮影

　◇センバツ高校野球1回戦（22日、甲子園） 　◇神村学園（鹿児島）―作新学院（栃木） 【写真まとめ】2023センバツ　躍動したドラフト指名選手たち 　1回戦屈指の好カードだ。作新学院の小川哲平投手はOBで元巨人の江川卓さんをほうふつとさせる立派な体格を持つ。そのエース右腕を昨夏の甲子園4強入りメンバー10人が残る神村学園の強力打線がどう攻略するかが勝敗の鍵となる。 　「（江川さんは）雲の上の存在で、自分はそのレベルにまだ達していません」 　身長184センチ、体重96キロの小川投手は笑みを浮かべながらそう謙遜するが、最速147キロの速球とカットボールを軸にした精度の高い投球は超高校級だ。 　昨秋の公式戦は9試合に登板し計59回を投げて、防御率1・07をマーク。チームを明治神宮大会準優勝に導いた。神村学園に対しては「1番から9番まで気が抜けない。受け身になると相手の思うつぼになる」と警戒する。 　神村学園は昨夏の甲子園で1回戦から3試合連続で2桁得点を挙げた強力打線が健在。昨秋の公式戦のチーム打率は3割8分を記録して出場校中5位で、1試合平均は9得点に上った。 　5割1分7厘の高打率を残した3番・今岡拓夢選手、不動の4番・正林輝大選手、勝負強い5番・岩下吏玖選手が座る脅威のクリーンアップだけでなく、下位もしぶとくどこからでも得点できる。さらに特徴的なのが、今岡選手をのぞけば主力はすべて左打者が並ぶ。 　小川投手が「左に苦手意識はない。インコースをガンガン攻めたい」と語れば、正林選手は「真っすぐで空振りが取れる投手。振り負けないように上からバットを出していきたい」と剛腕との対戦を心待ちにする。【村上正】