職務中に殉職した警察官の慰霊祭行われる 館山署(千葉県)
職務中に災害や事故で命を落とした警察官を悼む「館山警察署管内殉難警察官合同慰霊祭」が25日、館山市布良にある龍樹院久保浜霊園で行われた。館山署員や警察官OB、地元住民ら約30人参列し、職に殉じた7人の冥福を祈った。 同署管内では、1877(明治10)年に北條警察署として開署以降、コレラ、チフスなどの防疫活動中の感染、関東大震災による家屋倒壊、交通事故、傷害事件の犯人に襲われるなどで、7人の警察官が命を落としている。 1987(昭和62)年に同院で殉職者の1人でコレラの防疫中に命を落とした左右田豊巡査の顕彰碑が発見されたことをきっかけに、警察官ОBで作る館山地区警友会が慰霊碑を建立し、毎年この時期に同署と地域住民らで無縁仏などを供養する「施食会」(せじきえ)と併せて合同で慰霊祭を行っている。 左右田氏は1860(万延元)年4月、夷隅郡上原村の渡辺孫兵衛の次男として生まれた。70(明治3)年12月、大多喜藩士、左右田金吾の養子となり、78(同11)年に千葉県巡査を拝命して北條警察署で勤務していた。翌年8月に布良村で発生したコレラの防疫活動に従事中、感染し19歳の若さで殉職した。 龍樹院の香田祐道住職による読経の中、関係者らが1人ずつ焼香し、殉職者の霊を悼んだ。 館山署の松本丈史署長は「地域の人たちによって長い間お墓が守られてきたことに感謝。県警は今年150周年の節目を迎えた。礎を築いてきた先輩たちの名に恥じないよう、努力していきたい」と話した。